海外G1年間未勝利で終われない! 日本馬が意地を見せる香港国際競走展望
【香港カップ】日本勢に大きなチャンス、名手たちの駆け引きに注目
サングレーザーが香港Cの日本馬6勝目を達成するか 【Getty Images】
当初の発表からエジーラ(アイルランド)が香港ヴァーズに回り、5日になってワーザーがケガで回避。今年の香港Cは9頭によって争われることになった。とりわけ一昨年のクイーンエリザベス2世Cでラブリーデイらを一蹴し、今年の宝塚記念でも豪脚を炸裂させて2着に追い込んだワーザーの不在は、2年ぶりの勝利を狙う日本勢には追い風だろう。
日本馬の最大のライバルとなりそうなのが、地元香港のタイムワープだ 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
サングレーザーにとっては差し当たりタイムワープが最大のライバルになるが、天皇賞(秋)に続いてJ.モレイラ騎手を確保できたのは大きい。近走のタイムワープは勝つか大敗かの極端な結果に終始しており、マイペースで逃げられた2走前は1着、絡まれた前走は最下位に沈んでいる。絡んだ相手というのは今回も対戦する全弟のグロリアスフォーエバーだが、その背中にいたのがモレイラ騎手。前哨戦でライバルの脚力を量れた経験は生きるはずで、サングレーザーの差し脚をもってすれば仕掛けのタイミングひとつだろう。
ディアドラはどれだけの末脚を使えるか、今年絶好調ルメールの手綱にも期待がかかる 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
ステファノスはレーティング112で離されているが、4年連続の香港C参戦で経験値は地元馬をもしのぐ。近走は脚質的にも幅を感じさせるようになっており、タイムワープの出方次第で勝機が巡ってくることも。直線まで脚が溜まれば、W.ビュイック騎手の剛腕が物を言う。
ノーザンスーパースターは未知の強豪といった存在。香港移籍前に南アフリカでG1を2勝しているが、11月25日の前走が約1年ぶりの実戦だった。軽めのハンデで勝ち馬から4馬身余りの6着に終わっており、今シーズンの目標はまだ先にありそうだ。地元馬シーズンズブルームは戦績こそマイラーのそれだが、昨季以降の計10戦で唯一の2000mが2月の香港ゴールドC。レコード決着の厳しい流れのなかで、タイムワープから1馬身差の3着に善戦しており、地元勢で最先着しても不思議のない実力を秘めている。
【香港マイル】年度代表馬に挑む3本の矢、レースの鍵は日本馬が握る
昨季の香港年度代表馬ビューティージェネレーションは今季も無敵の充実ぶりを見せ付けている 【Photo by Getty Images】
ペルシアンナイトは2000mでも好走できるスタミナをマイル戦でも生かしたい 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
前走マイルCSが不完全燃焼だったモズアスコット、今度こそ能力全開だ 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
久々のマイル戦となるヴィブロスだが、引退レースに花を添える快走を期待 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
この他の外国勢では豪州のカミンスルーがレーティング118だが、9月から5戦を消化して成績も下降気味。欧州勢は香港マイル未勝利で、ビートザバンク以外の2頭(インズオブコート、ワンマスター)には距離もやや長そうな印象だ。
ビューティージェネレーションに恐れおののく香港勢だが、もともとマイル〜短距離の層は厚く、日本馬ら外国勢が王者を負かしにいき、もつれた展開になったときには漁夫の利を得る可能性は捨てきれないだろう。