連載:Jの未来を担う高校生たち

争奪戦必至のFW西川らのプレーに注目! 選手権での活躍が期待される1、2年生達

川端暁彦
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2年時に大会得点王に輝き、選手権準優勝の原動力になった浅野拓磨 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 師走を迎え、高校サッカー選手権の季節が近づいて来るこの時期だが、Jリーグのスカウト陣の間で交わされる会話の軸は、大会の目玉となるプロ内定選手たち――ではない。彼らが見たいのは、自分が目を付けている1、2年生たちのプレーぶりであり、新シーズンに向けて「追い掛ける」選手を見付ける(あるいは決める)ことである。

 もちろん例外もあるのだが、後に名を成す選手たちの多くが下級生のときに大会で爪痕を残していることが多い。四日市中央工業高校の2年生で大会得点王に輝き、準優勝を果たしたFW浅野拓磨などは典型だろう。「勝てば勝つだけ自信を付けていって、本当に大会前と大会後で変わった」(樋口士郎監督)というシンデレラストーリーを経て、浅野は年代別日本代表にもピックアップされて、飛躍の流れに乗っていくこととなった。

 こういう選手が出てくるのを見逃したくないから、Jリーグのスカウト陣は目を光らせているし、来年U−17ワールドカップ(W杯)を控えるU−17日本代表の森山佳郎監督も「高校サッカーには絶対に埋もれている選手がいる。それを見付け出したい」と意気込む。中田英寿や中村俊輔も下級生のときに上位へ勝ち残ることはできなかったが、「個」として図抜けたプレーは見せていた。今年もまた、「次」の可能性がどこかで輝きを見せてくれるはずだ。

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大会最注目選手の1人であるFWの西川潤

桐光の2年生FW西川潤は、すでに複数のJクラブが興味を持っており、争奪戦は必至 【川端暁彦】

 かつての中田英がそうだったように、「すでに有名人」という選手もいる。中村を輩出している桐光学園高校の2年生FW西川潤は、U−16日本代表の10番を背負う中軸選手。多数のJクラブが早くも興味を示しており、すでに争奪戦となっている有望株だ。ビッグクラブはもちろん、「ウチならすぐに試合に出られるので、ワンチャンあると思っている」(関東のJ2クラブ)というアプローチもあるという、最近ではあまり見なかったレベルで競合する選手になりそうだ。
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著者プロフィール

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』をはじめ、『スポーツナビ』『サッカーキング』『フットボリスタ』『サッカークリニック』『GOAL』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。近著に『2050年W杯 日本代表優勝プラン』(ソル・メディア)がある

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