連載:Jの未来を担う高校生たち

自らコンバートを志願。大化けしたDF 青森山田の三國は「W杯を狙える選手」

川端暁彦
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現代の高校サッカーは「セカンドチャンス」を与える場に

青森山田の三國ケネディエブスは、DFへのコンバートを機に才能が開花 【川端暁彦】

 今年のワールドカップ(W杯)ロシア大会の日本代表において、最も評価を高めた選手は米子北高校出身のDF昌子源だったのではないだろうか。W杯では4試合中3試合にフル出場した唯一の国内組だったが、粘り強い守備と身長差を感じさせない空中迎撃能力は出色だった。昌子については、あの大会に出ていた中で「最も高校サッカーらしい選手」なんて評価もある。

 米子北のDFとして昌子が有名になったのは夏の高校総体(インターハイ)で準優勝の快挙を為し遂げた高校2年生のときだと思うが、ガンバ大阪ジュニアユースからドロップアウトし、一時サッカーから離れていた選手だったと聞いたときは驚いた。ただ、こうした選手にセカンドチャンスと新たなモチベーションを与える場として、現代の高校サッカーが機能しているのも間違いない。

 高校の3年間でやれることなんて限られているという言われ方をするときもあるのだが、化ける選手は化けるものだ。昌子について言えば、米子北でサッカーを続ける動機を取り戻せたことはもちろん、センターバック(CB)というポジションに出会えたことも大きな転機だった。攻撃的なプレーを好む本人を納得させた上で取り組ませるのに指導陣は一苦労したようだが、DFの楽しさに本人が気付いてからの変化は劇的だった。

 同じようにコンバートから劇的に大化けした選手が今年の高校サッカー選手権にもいる。アビスパ福岡への加入が内定している青森山田高校のDF三國ケネディエブスだ。
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著者プロフィール

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』をはじめ、『スポーツナビ』『サッカーキング』『フットボリスタ』『サッカークリニック』『GOAL』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。近著に『2050年W杯 日本代表優勝プラン』(ソル・メディア)がある

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