チャンピオンズCはペースの読みが大事!? 今年はスロー想定、前残りと見る

JRA-VANデータラボ

名称変更となった2014年以降のデータを分析

 今週日曜日に中京競馬場でチャンピオンズCが行われる。先に京都で行われたJBCクラシック・レディスクラシックの勝ち馬に加え、南部杯を勝利したルヴァンスレーヴが出走を予定。さらに今年はダートの本場アメリカからG1馬が参戦する。チャンピオンズCに名称を変えて行われるようになった2014年以降のレースを分析し、今年の展望を考えていくことにする。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

過去4年のチャンピオンズC結果

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まずは過去4年のチャンピオンズC好走馬と人気などについて見ていくことにする(表1参照)。まだ4回分のデータしかないが、馬券的には波乱傾向だ。昨年ゴールドドリームは8番人気で優勝しており、単勝は1300円の配当だった。3着のコパノリッキーも実績的にはかなり上位だったが、9番人気の伏兵扱いだった。16年は10番人気のアスカノロマンが3着。15年は12番人気のサンビスタが優勝を飾り、単勝は6640円、馬連は万馬券の大波乱だった。牝馬がJRAのダートG1を制するケースはこれが初めてで、その後そのような馬は出ていない(牝馬限定のJBCレディスクラシック勝ち馬アンジュデジールを除く)。

 上位人気馬を見てみると、1番人気は【0.2.0.2】という成績。近2年は好走しているが、2着止まりだ。2番人気の好走は1回、3番人気の好走は2回と、上位人気は軒並み苦しんでいる印象だ。

過去4年のチャンピオンズCタイムとRPCI

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いてタイム面や脚質、ペースについて振り返ってみよう。結論から言うと、ペースに関してはかなり重要で、レース結果に相当影響を及ぼしていると感じる。勝ち時計そのものは1分50秒から51秒台で、あまり大きな開きはない(すべて良馬場)。ただ、ペースは年によってかなり異なる。表2で示したRPCI(距離による補正あり。以前の計算方法)を見ると、14年と17年が50.1だ。これはG1に限らずダートの重賞としてはかなり遅いペースであることを示している。昨年のレースを振り返ると、前々でレースを運んだコパノリッキーとテイエムジンソクが残ったわけだが、展開的には納得と言える。差し・追い込み馬には非常に苦しい展開で、勝ったゴールドドリームはかなり強い内容だった。

 14年も結果的にはほぼ前残り。勝ったホッコータルマエは地力的に上位ではあったが、差し・追い込み馬の出番はペース的にもなかった。同年4着だったサンビスタは、そんな展開にもかかわらず中団から脚を伸ばした。「負けて強し」の内容であり、これが翌年につながることになる。

 15年のRPCIは39.4とかなり厳しいペースだった。このレベルとしては平均的な流れではあるが、前年に比べると道中の流れは締まったものだった。その結果、サンビスタが優勝。当時は驚きの結果だったが、後から振り返ってみると前年の頑張りがあったゆえ、十分想定できるものだった。2着ノンコノユメ、3着サウンドトゥルーは4コーナー15、16番手で好走しており、前の馬が完全に潰れる展開となった。16年はサウンドトゥルーが一気の追い込みを見せて優勝。RPCIは40で、前年同様ペースが流れたことが大きな勝因だと考えられる。

※RPCI=レースペースチェンジ指数

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