紀平梨花「真央さんに近づけるように」 NHK杯出場の日本勢が一夜明け会見

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女子シングルでは紀平(中央)がGPシリーズ初出場で初優勝の快挙。宮原(左)も2位でファイナル進出を決めた 【坂本清】

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦となるNHK杯(9日〜11日、広島・広島県立総合体育館)で、女子シングル1位の紀平梨花(関西大KFSC)ら日本人選手が11日、一夜明け会見に臨んだ。

 シニアのGPシリーズデビュー戦で初優勝を飾った紀平は「ほとんどミスのない、ほぼ完ぺきな演技ができた」とフリースケーティングでの会心の演技を振り返りつつも、「これで満足することなく、ショートを完ぺきにできるようにしていきたい」と課題を口にした。また自身が憧れているという浅田真央について話が及ぶと、「まだ1戦目で、何もできているわけではない。まだまだ、真央さんに近づけるようにということだけを思っている」と気を引き締めた。

 男子シングルで優勝を果たし、4季連続のGPファイナル進出を決めた宇野昌磨(トヨタ自動車)は「責任感を持って良い演技をしたい。期待に沿える選手になりたいと強く思った」と昨シーズンからの心境の変化について語った。

 以下、一夜明け会見での日本人選手コメント。

紀平「これからは完ぺきな演技ができたら」

「どんな相手の時も自分の完ぺきな演技ができたら」と紀平 【坂本清】

(優勝から一夜明けての心境は?)すごくうれしいです。(フリーの演技は見直したか)動画を見ました。思っていたよりもジャンプが安定していた印象です。ほとんどミスのない、ほぼ完ぺきな演技ができてうれしいです。

(ショートからフリーをほぼ完ぺきなものにできた要因は?)フリーの前日の夜に、しっかりとダメだった要因を話して、バックの入りなどをしっかりと見直したことが良かったです。あとしっかり集中できたのがよかったと思います。集中していると緊張するので、もっとリラックスしないと、と思っていたのですが、今回はあまり緊張しなくて。やってきたことを出すだけと思ったので、緊張する前に集中できたのが成功につながったと思います。

(次のフランス杯はファイナル進出が懸かっているが、どういった演技を見せたいか)今回の演技もすごく良かったですが、これで満足することなく、ショートを完ぺきにできるようにしていきたいです。(ファイナルについては)今(NHK杯で)1位になってチャンスができたと思うので、狙っていきたいと思います。

(動画を見ながらコーチにもらったアドバイスは?)前に出るだけと言っていて、いつもは回り込んでしまったり、体の動きが大きくぶれている時があるので、自分でも思っていたことと、コーチから言われたことを合わせました。フリーのはじめの方はまだ調整中で、思いどおりの踏み切りはできませんでしたが、最後の方に自分の思っている演技ができて、6分間練習では1本目から思い通りにできたので、調整成功だなと思いました。

(これから先のロシア勢との戦いに向けて、今回の優勝で自信をつけた?)得点が高く出たので、ショートでの取りこぼしと、ミスなく演技をして、完ぺきな演技を増やしていきたいと思います。(トリプルアクセルを成功させたことで、ロシア勢への対抗意識は変わった?)少しずつというか、追い付いてもレベルが全然違うので。これからはどんな相手の時も、自分の完ぺきな演技ができたらいいなと思います。

(浅田真央さんに憧れていると言っていたが、トリプルアクセルを2本入れたのも浅田さん以来。グランプリ初出場で初優勝と、浅田さんでもできないことを成し遂げたが?)本当にまだ1戦目で、何もできているわけではないので。まだまだ。真央さんに近づけるようにということだけを思っています。

宮原知子(関西大)「NHK杯は自信の持てる大会になった」

宮原は「今まで以上に自分の目標にこだわって演技ができた」と大会を振り返った 【坂本清】

(昨夜は紀平選手、濱田美栄コーチと話をした?)夜ご飯をみんなで食べて、その時に話をしました。先生のお母様のご実家が広島なんですけれど、そういった場所で2人ともいい演技をしてくれて良かったと言っていただきました。

(前日の記者会見では「結果にこだわらない」と話していたが、フリーの後のインタビューでは「悔しさはある」と話していた。心境の変化は?)悔しさはあるんですけれど……。昨日のフリーをやっているときはあまり感じなかったですけれど、終わってから思い返してみると、かなり緊張していたのかなと感じたので、その中でも底上げはできましたし、手応えは感じていたんですけれど、ちょっと演技がガチガチだったかなと思います。

(GPファイナルに向けてのテーマは)ファイナルもこれまでと変わらず練習でやってきたことを本番でやることを目標にしていきたいと思います。次に全日本があるので、そこにつなげていきたいなと思います。

(NHK杯はどういう大会になったか)2戦目で最終滑走というのもあって、いろいろな緊張につながってしまう要素があった中で、今まで以上に自分の目標にこだわって演技ができたので、自信を持てる大会になりました。

(どういう対策をとって、他の選手に対抗していこうと思っているか)もちろん今シーズン、今からトリプルアクセルを取り入れるとか、そういうのは無理ですけれど、自分のやれることをやっていくことに変わりはないと思うので。精いっぱいとにかく自分の演技を極めることに集中するということと、(ジャンプについては)今シーズンではなく、今後挑戦していく必要はあると思うので、向上心をもって頑張りたいと思います。

(新ルールの影響は?)きっちりミスなくやることが本当に大事だなと思いました。このGPシリーズをはじめ、今シーズンが始まった後は特に思います。ジャンプだけじゃなく、スピンやステップの取りこぼしも点数が下がる要素になっているので、演技の総合的な出来というのが大事になったとすごく感じています。

(今はジャンプに注力している?)どちらかというと今はジャンプに意識が行きがちなので、大半はジャンプの練習になっているんですけれど、なるべく曲かけをたくさんして、曲かけしているときはスピンやステップ、シークエンスの表現の練習をするようにはしています。バレエなどでプログラムも入れていただいているので、なかなかジャンプに目が行きがちな中でも、そこ(スピンやステップ)は疎かにしないようにしたいです。

三原舞依(シスメックス)「かおちゃんのようなパワーのある選手に」

三原は「かおちゃんのようなパワーのある選手に」と今後の目標を語った 【坂本清】

(一夜明けて、今の感想は)すごく余韻があって、目がぱっちり覚めていて眠れなかったんですけれど、朝起きて振り返ってみると、すごく楽しかったです。憧れの舞台だったので。(終わってからの興奮はどこからきたものだった?)悔しさも若干あるんですけれど、日本開催ですごくたくさんのお客さんがいる中でできたのが楽しかったというのもあります。

(課題は見つかった?)すごく課題はあります(笑)。一番は他の選手と比べて、自分の力のなさを感じました。(パワーをつけたいと言っていたが)かおちゃん(坂本花織)みたいに本当に思い切ってやること。パワーのある選手が同じリンクにいるので、すごく刺激をもらっています。トップに行くには、ミスのない演技とパワーが必要だと思うので、どうすればついていくか分かりませんが、いつも見ている、かおちゃんのようなパワーをつけていきたいと思います。

(プレッシャーの掛かる状況だったと思うが、その中でやったことが、どういうふうに力になっている?)いつもより緊張が大きくて、シンデレラをやっていたシーズンは全然緊張しなかったので、そう思えるくらい練習していかなければいけないと本当に思いました。そんな緊張の中で、大きなミスなくフリーを終えることができたのは支えてくれた方々や応援してくれた方々のおかげなので、その応援を無駄にしないで、しっかりとこれからの練習につなげていきたいと思います。

(去年と比べてどのくらいレベルアップしていると思うか)去年はあまり成長できていない部分もあったと思います。滑っているときはすごく幸せな気持ちで滑っているんですが、(演技)後半になるとバテてしまうことが練習のときからもあるので、そういう要素を1つもないくらいにしていきたいと思います。

(大舞台でここまでの演技をしたことで、自信になったのでは?)ちょっとは自信になったと思います。大きなミスなくここまでできたという意味ではすごくホッとしていて、良かったなとは思いますけれど、それは自分比で比べているところもあるので、トップの選手と戦える実力のある選手になっていきたいので、もっとやっていきたいです。

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