エリザベス女王杯は連覇か、それとも? 過去10年データから勝ち馬を探る
前走秋華賞出走馬の各種データ
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
また、人気も興味深い傾向が出ている。好走率が高いのは秋華賞で1、2番人気に推されていた馬だが、エリザベス女王杯を勝ち切った3頭はいずれも秋華賞で3番人気以下だったのだ。ただし、こちらも10番人気以下では苦しく、9番人気以内には収まっておきたい。
同年オークスにおける成績
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走府中牝馬S出走の1〜3着馬
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
同年の芝1800m以上牡馬混合重賞の実績
表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
まずは3歳馬から。秋華賞組は1〜3着馬の好走率が高く、9番人気以内かつ9着には入っておきたいところだった。今年は秋華賞組のエントリーが1頭しかないが、そのカンタービレは秋華賞で3番人気3着と好走圏内の成績を残した。オークスで7番人気13着だった点は無視できないものの、春に比べてかなり成長している印象もあり、なんとかデータを克服したいところだろう。
もう1頭の3歳馬はノームコア。トライアルの紫苑Sを0秒5差で圧勝しながら秋華賞には出走せず、ここまで待機する異例のローテーションで、過去のデータにも参照しづらい面はある。とはいえ、仮定の話にはなるが、秋華賞出走なら9番人気以内かつ9着以内には収まっていた可能性は十分。以前は先行していたが、紫苑Sを中団からの競馬で快勝したこともプラスといえる。
古馬に目を移すと、出走例が多い府中牝馬S組に関しては、エリザベス女王杯が叩き2戦目になる馬か、続戦中の場合は府中牝馬Sの前走で1着の馬がよかった。今年はアドマイヤリード、フロンテアクイーン、ミスパンテール、リスグラシューの4頭が叩き2戦目での出走となる。なお、後者に該当する馬はいなかった。
同年の牡馬混合実績を重視するなら、昨年の覇者で札幌記念3着のモズカッチャン、京都大賞典でサトノダイヤモンドの半馬身差まで迫ったレッドジェノヴァ、函館記念3着があるエテルナミノルの3頭に注目。また、2600mのオープン特別・丹頂Sで2着のコルコバードもマークはしておきたい。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。