JBCクラシックは複数回優勝が当たり前!? 前年覇者サウンドトゥルー8歳でも要警戒
例年は地方開催、分析はいつもより難しいが
過去のJBCクラシック優勝馬
表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
また、JBCは地方の競馬場が持ち回りで実施する。毎年競馬場が替わる中、これだけ同じ馬が勝つというのはやはりめずらしいことのように思える。明確な理由は定かではないが、とにかくJBCクラシックは複数回優勝馬が出やすい。同レースと相性のいい馬が出てきやすいと考えるべきだろう。
近年は単発の優勝馬の方が多くなっているが、名前を見るとフロックで優勝したような印象は皆無だ。ワンダーアキュートは待望のG1/Jpn1初制覇だったが、実力は十分示していた。そして、このJBCクラシックは12年が初挑戦だった。13年に優勝したホッコータルマエは言わずと知れた実績馬。ただ、JBCクラシックはこの年が初挑戦だった。
16年に優勝したアウォーディーも同じような立場。同馬の場合は5連勝の上がり馬で、G1/Jpn1の出走自体が初めてだった。一方、昨年優勝のサウンドトゥルーは全く異なるタイプ(すでにG1勝ち鞍があり、JBCクラシックは3度目の出走)だ。しかし、それでも近年は上がり馬的存在やこれから大きな飛躍を遂げる素質馬がよく勝っていることになる。連覇を狙う馬か、JBCクラシック初挑戦の馬か。この大きな2つの流れに基づき、勝ち馬が誕生しているというわけだ。
今年のJBCクラシック出走予定馬
表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
JBCクラシック初挑戦という馬は多いが、上がり馬的な存在となると、近走成績はそれなりに充実している必要がある。候補と言えそうなのが、前走シリウスSを勝利したオメガパフュームや、5月の平安Sを勝ったサンライズソア、3月のマーチSを勝ったセンチュリオンあたりになるだろう。年齢とキャリアを考慮すると、オメガパフュームやサンライズソアがより有力だろうか。ただ、現時点では先日のマイルチャンピオンシップ南部杯で好走したルヴァンスレーヴやゴールドドリームの方がおそらく力は上だ。その分混戦だが、彼らが不在の今回は多くの馬に勝機があると言える。このチャンスをモノにできるかどうかは、今後に向けてかなり大きいことになりそうだ。
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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