Rソックスは2018年最強チームだった “119通り”の強さで達成したWS制覇
POでは不振だったプライスを信じ抜く
3試合に登板し、防御率1.98と大車輪の活躍を見せたデービッド・プライス 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
「今季を通じて、多くの人が彼を諦めようとした。ヤンキース戦で打たれた後もそうだった。ただ、私たちは彼がメジャーでも最高級の投手だと分かっていた。彼は勝利を熱望していて、ここでついに世界一になったんだ」
コーラ監督が振り返った通り、実はプライスは現地時間10月6日のヤンキース戦で1回2/3を3失点、同14日のアストロズ戦でも4回2/3を4失点と痛打されていた。今となっては信じ難いことだが、「プライスを先発から外すべきではないか」といった声まで出ていたのである。
そんな周囲の雑音には惑わされず、プレーオフの絶望的な実績も無視し、コーラとレッドソックスは通算143勝のサウスポーを信じ続けた。期待に応え、プライスはついに実力を発揮し始める。33歳の左腕が切り札になったことで、ネーサン・イオバルディ、リック・ポーセロ、やや不調だったキンブレルといった他の投手たちの負担も軽減。2018年の最強軍団は、セールに続くエースがステップアップしたことでついに完成形に至ったのだ。
「違う時代のチームを比較しても意味がない。僕たちはとても良いチーム。言えるのはそれだけだ。(ただ)僕が所属した中では間違いなくベストチームだ」
試合後、“レッドソックスは史上最高のチームか”と聞かれ、プライスはそうはぐらかした。実際に“Best of all time(史上最高)”の議論は不要なもの。それでも1つだけ確かなことは、2018年のベストチームの力量が今後も永く語り継がれていくだろうということだ。
多くの役者をそろえたレッドソックスは、今季を通じ、119通り(シーズン108勝+プレーオフ11勝)のやり方で強さを誇示してくれた。ケミストリーに裏打ちされた層の厚いプロ軍団。その鋼のような強さは、さまざまな形で分析され、語り継がれ、いつしか時を越えていくはずである。