今年はスロー必至!? 秋の天皇賞分析 人気の4枠2頭にはデータも逆らえない

JRA-VANデータラボ

新たなチャンピオンを決める一戦

 今週日曜に東京競馬場で秋の天皇賞が行われる。芝2000mを舞台に秋の中距離王者を決める伝統の一戦だ。昨年は雨で不良馬場の中、キタサンブラックが優勝。今年は昨年の上位3着以内馬が出ておらず、新たなチャンピオンを決める一戦となる。天皇賞・秋の過去10年のデータならびに今開催の東京競馬場・芝コースの傾向から馬券に絡みそうな有力馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

天皇賞・秋の人気別成績(過去10年)

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まずは天皇賞・秋の過去10年のデータから分析していく。人気別成績では、1番人気馬が【5.2.2.1】で昨年のキタサンブラックら近3年続けて勝利しており、最多の5勝をあげている。連対率70%・複勝率90%と高く、10頭すべて4着以内と安定しているのが特徴だ。馬券の軸としての信頼度が高い。2番人気馬は勝ち星こそないものの、複勝率60%と1番人気馬に次いで高い。3番人気馬は連対馬がおらず、複勝率20%と低い。

 以下、5番人気馬が14年スピルバーグら4勝と一発があり、7番人気馬は11年トーセンジョーダンの1勝。2・3着馬もほぼ7番人気以内におさまっており、8番人気以下で好走したのは10番人気以下の2・3着1回ずつ。昨年は3着に13番人気レインボーラインが激走したが、不良馬場で非常に時計がかかる特殊な馬場だった。

 人気面からは1番人気の信頼度が高く、好走馬はほぼ7番人気以内。8番人気以下の伏兵の激走は見込み薄といえる。

天皇賞・秋の年齢別成績(過去10年)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2は年齢別成績。表に黄色で強調したように4、5歳馬中心のレースといえる。特に5歳馬は昨年のキタサンブラックら過半数の6勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。また、4歳馬は13年ジャスタウェイら3勝をあげ、連対率ではトップの5歳馬に迫っている。これら4、5歳馬で大半の9勝をあげている

 3歳馬は勝ち星こそないものの、複勝率では5歳馬に次いで高い。なお、6歳馬は3着1回のみ、7歳以上の馬も09年カンパニー(当時8歳)の1勝のみと、6歳以上では好走確率がガクンと下がっているのが大きな特徴だ。

天皇賞・秋の脚質別成績と上がり順位別成績(過去10年)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は脚質別成績と上がり順位別成績。まず脚質別成績では中団からの差し切りが過半数の7勝を占めているが、該当数が多いのもあって連対率・複勝率はそれほど高くない。また、先行馬は近3年続けて勝利しており、連対率・複勝率トップだ。勝ち馬はすべて先行馬か、中団からの差し馬だった。なお、逃げ馬は勝ち星がなく、08年ダイワスカーレットの2着1回。後方からの追い込み馬も連対1回のみで、3着が4回と多かった。

 上がり順位別成績では、上がり1位の馬が昨年のキタサンブラックら5勝をあげ、連対率53.3%・複勝率80.0%と非常に高い。08年を除いて、毎年1頭は3着以内に入っている。上がり2位の馬も11年トーセンジョーダンら2勝をあげ、連対率・複勝率が高い。

 つまり、道中で先行もしくは中団につけて、メンバー中2位以内の速い上がりを使えるタイプの馬が好走しやすいレースといえる。

天皇賞・秋の前走レース別成績(過去10年)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は前走レース別成績。出走数が抜けて多い毎日王冠組が14年スピルバーグら最多の5勝をあげており、昨年を除いて毎年1頭は3着以内に入っている。宝塚記念組は昨年のキタサンブラックら2勝をあげ、連対率・複勝率が高い。昨年はこの組が上位3着まで独占している。他では札幌記念組が一昨年のモーリスら2勝、京都大賞典組が15年ラブリーデイの1勝。勝ち馬の前走は以上4レースに絞られている。

 なお、毎日王冠に次いで出走数が多いオールカマー組は3着以内馬なし。この組から天皇賞で上位人気になる馬が少ないのは確かだが、今年はオールカマー上位3着以内馬が揃って出走を予定しており、これまでのデータを覆すか注目したい。

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