「卓球を国技に」Tリーグがいよいよ船出 張本、水谷、平野…開幕戦にスター集結

月刊『卓球王国』

多彩な選手そろえるTOP名古屋

TOP名古屋は鄭怡静(写真)ら、国際色豊かなメンバーをそろえた 【写真:アフロスポーツ】

 男子の翌日に開催される女子開幕戦はTOP名古屋と日本生命レッドエルフの対戦。

 TOP名古屋は国籍、プレースタイルともに多様な布陣でファーストシーズンに挑む。日本選手はともに今年のアジア競技大会日本代表の森薗美咲と安藤みなみの2人。世界選手権代表経験もある森薗は青森山田高校を卒業後、およそ7年半在籍した日立化成を退社してTリーグに参戦。ここ最近世界ランキングをグイグイ上げている全日本学生女王の安藤もTリーグでのさらなる成長を期す。

 エースとして期待されるのが、9月に開催された女子ワールドカップで石川佳純を破って3位に入賞した鄭怡静(チャイニーズタイペイ)。世界ランキング7位とTリーグ参戦選手の中では石川(世界ランキング4位)に次ぐ上位ランカーで、実力は折り紙つき。ルックスにも注目のカットマン・徐孝元(韓国)、小柄だがパワーが光る呉穎嵐(香港)が脇を固める。

 女子で唯一、欧州からの参戦となるエリザベタ・サマラ(ルーマニア)も、ジュニア時代から欧州の年代別タイトルを次々に獲得し、15年には欧州選手権でチャンピオンに輝いた。多彩なプレースタイルがそろい、相手に応じたオーダー戦術を取れる点は団体戦において大きな武器だ。

平野&早田加えた日本リーグの名門・日本生命

平野(写真)や早田ら戦力充実の日本生命レッドエルフ。伝統力と新戦力の融合で初代女王を狙う 【写真:田村翔/アフロスポーツ】

 そのTOP名古屋と激突する日本生命レッドエルフは、昨年まで日本リーグに所属し、男女最多となる通算31度の優勝を誇る常勝軍団。ロンドン五輪、リオ五輪と2大会連続で団体メダルをもたらした村上恭和総監督がチームを率い、日本リーグ時代からチームの中核を担ってきた前田美優、森さくら、常晨晨(中国)に、注目の18歳コンビ・平野美宇&早田ひなが加わり、戦力は充実。チャイニーズタイペイ代表のパワーヒッター・陳思羽も実力は高く、伝統のチーム力と新戦力の融合で初代女王の座を狙う。

 世界ランキングが五輪や世界選手権の代表選考に大きく関わってくる卓球界において、ランキングを上げるためにはどうしてもワールドツアーなど、海外の試合を優先せざるを得ない。それ故に日本のトップ選手が日本国内の試合に出場し、ファンに生でプレーを見てもらう機会は限られてくる。それは多くのトップ選手が抱えていたジレンマかもしれない。

 同い年の平野とともに、日本生命レッドエルフのエース格として期待される早田もそのひとり。Tリーグ開幕、そして参戦の意義をこう語る。

「日本国内で試合をするのが全日本選手権と世界選手権の国内代表選考会くらいで、もっと日本で試合をしたい気持ちがありました。自分がTリーグに出ることで見に来てくれる人が増えればうれしいし、もっと卓球を知ってもらいたい。そこから興味を持った子どもたちも卓球を始めてくれれば良いなと思います」(早田)

 Tリーガーもファンも心待ちにした開幕まで待ったなし。10月24日、発気揚々と日本卓球界の新たな歴史がスタートする。

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