「卓球を国技に」Tリーグがいよいよ船出 張本、水谷、平野…開幕戦にスター集結

月刊『卓球王国』
 卓球の新たなリーグとして開幕する「Tリーグ」。10月24日に男子、25日に女子の開幕戦が行われる。「いつか卓球を国技に」という思いを込めて、開幕戦の舞台は東京・両国国技館。張本智和や石川佳純ら日本選手のほか、アジアの強豪国を中心に世界から強豪選手が参戦し、「世界最高峰のリーグ」を目指して船出を切る。

水谷、張本らスター軍団の木下

リーグ開幕前日に行われた記者会見でポーズを取る水谷(中央)ら。日本を牽引するエースはこの日を「心待ちにしていた」と語る 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 男子開幕戦のカードはT.T彩たまvs.木下マイスター東京の首都圏ダービー。

 木下マイスター東京は男女通じて唯一、日本選手のみで構成されたチームで、リオデジャネイロ五輪で日本初のシングルスでのメダルを獲得した水谷隼、言わずと知れた怪物中学生・張本智和が所属。さらに世界選手権10度出場の天才・松平健太、2017年世界選手権男子ダブルス準優勝の大島祐哉らのラインナップはまさにスター軍団。指揮を執る邱建新総監督も世界的に名をはせる名伯楽で、男子の優勝候補筆頭といえる布陣だ。

 日本男子を長らくけん引し、国内外で様々なタイトルを獲得してきた水谷はTリーグの誕生を「心待ちにしていた」と語る。

「木下がリーグ参戦を決めた時に、自分も心の中で参戦を決めていた。卓球選手として、この舞台でやりたかったし、頑張っていきたい。一度見た人が、また見に来てくれるようなリーグにしたいですね」(水谷)

 中学生でドイツに渡り、世界トップのブンデスリーガで揉まれて力をつけた水谷。これまで中国・超級リーグ、ロシア・プレミアリーグなど世界各国のリーグでプレーしてきた。そうした経験を踏まえ「各リーグによって特徴があるし、日本はそれぞれの良い部分を取り入れていけばいいと思う。選手は最高のパフォーマンスを発揮できて、お客さんは試合を楽しめるリーグになってほしい」と期待を込める。記念すべきファーストシーズン、目標は「優勝」のみだ。

T.T彩たまには世界のトップ選手が加入

T.T彩たまは吉村(写真)が主将としてチームを引っ張る 【写真:田村翔/アフロスポーツ】

 対するT.T彩たまもラインナップは強力。日本選手もたびたび苦杯をなめさせられている世界ランキング9位の黄鎮廷(香港)に、17年世界選手権男子ダブルスで3位入賞、今年の世界選手権団体戦で水谷、張本を破った鄭栄植(韓国)、強豪・ポルトガルの主軸を務めるティアゴ・アポロニアと世界のトップ選手を擁する。

 日本選手もリオ五輪団体銀メダル、17年世界選手権混合ダブルス優勝の吉村真晴、ガッツマンの平野友樹、経験豊富なベテラン・岸川聖也と魅力ある顔ぶれがそろった。

 彩たまは選手の獲得だけでなく、ファンとの交流や地域との連携など、コート外でのアクションも積極的に行っており、チームとしての熱量を感じさせる。「1年目、勝つ気満々です。2位じゃダメだと言っています。それがスポーツの醍醐味ですから」(T.T彩たま・柏原哲郎代表)。

 バリバリのトップランカー・黄鎮廷もTリーグでのプレーに期待を寄せる。現在、黄鎮廷はポーランド・スーパーリーグのジャルドヴォのメンバーとして、欧州チャンピオンズリーグにも参戦中。ITTFワールドツアー、欧州チャンピオンズリーグ、そしてTリーグとタフな日々を送ることとなるが、黄鎮廷はT.T彩たまと契約を結ぶ際、「東京五輪を控えた今、自分が強くなれる場所を選びたい。その場所こそTリーグだと思った」と坂本竜介執行役員監督に語ったという。プロとして世界を転戦するトップランカーも日本での成長を渇望している。

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