中田監督「光はちょっと見つかった」 世界バレー 米国戦後の談話
以下は、試合後の中田久美監督と選手のコメント。
「サーブレシーブが返れば互角な戦いができる」
大会を終えて「今の完成度は58%ぐらい」と中田監督 【写真:坂本清】
今シーズンの収穫としてはやはり、課題はあるにせよ若手の2人が戦力として加わったのは大きかったと思います。さらに長岡(望悠)がけがから復帰してある程度めどがたったこともこれからにつながっていくと思います。
戦術的なことで言えば、トータルディフェンスが機能した時の日本はそう簡単に負けないということ、サーブレシーブが返れば互角な戦いができるという再認識。この大会が始まる前に「光を見つけたい」と言っていましたが、その光はちょっと見つかったのかな、と。
(今後について)課題設定の見直しをする必要があれば課題を修正して、計画を立て直す可能性があればするし、上げたらきりがないですが、今持っている力は発揮できたのかなと思います。ただ、発揮できたといっても6位なので、もう少しリードブロックにしてもコンビネーションバレーにしても、何が本当に必要なのかを検証していく必要はあるかなと思っています
東京五輪へ「今の完成度は58パーセント」
(正セッターは)そろそろ決めないといけないでしょうね。ここが安定すればチームは完成すると思います。ただ今の段階で誰を、と言われると困ってしまいますが。
(若手の起用を求める声に対しては)若い力は必要だと思うんですけれど、今日のように苦しい場面で活躍したのはベテランです。キャリアのある選手がこのチームを引っ張っていくんだなと再認識しましたし、もう1枚、若い選手を入れてチームづくりをしたいイメージもあります。
(積極的に用いたいとしていたバックアタックへの評価は)確かに長岡が入って、昨シーズンよりは意識的にバックアタックを使えていると思いますが、拮抗した場面で点数につながるかと言うと、今日の試合に限ればあまり通用しないのかな、という感じはします。ただ、精度や使い方も含めて強化していかないといけないところだと思います。
世界との差がイマイチよくわからなくなってきていると言いますか、(イタリアのパオラ・)エゴヌ選手のようにブロックの上から打てるわけでもないですし、じゃあ何で点数を取っていくかというところで世界と同じことをやっていてはいけないなと思います。
ただ、世界と戦うことに対しての違和感は徐々に薄れてきているのかな、と。あの高さとパワーが当たり前になっていて、そこからの点数の取り方をどう強化するか、という部分では日本独自のものを追及していかないといけないと思うし、それを差と言うのかはわかりません。縮まっているのかな。ちょっとわからないです。
(成長株の黒後愛を試合途中で下げたが)今日の試合は別としても、彼女を使ってきてシニアで初めてのシーズンで、すごく頑張ってくれたと思います。ただ、勝敗は関係なくとか、順位は関係なくということもありますが、このチームは来シーズンも強化を進めていかないといけない。その上で、黒後を今日の試合で最後まで使う判断は私の中でなかなかつかなかったです。あのまま黒後を使い続けたら何かが起こったかもしれないですが、私はそういう判断をしなかったので下げました。
(チームのサーブについて)この世界選手権はサーブがよかったと思います。ターゲットにはかなり正確にいっていると思いますが、そこから崩す技術はまだまだかなと。ただ、プレッシャーが懸かる中でサーブをひとつの武器にして選手が積極的に攻めていった部分では、技術もそうですが、メンタルも強くなったと思います。
(来季へ向けて、海外でプレーする選手も増えたが)うまくなって帰ってきてもらいたいです。私は応援することしかできないので、しっかりとけがのないように頑張ってもらえればと思います。