女傑エネイブルの凱旋門賞連覇に隙あり? 武豊クリンチャーは天気が鍵か

JRA-VAN

ロンシャン未経験の上に、斤量も昨年比3kg増

史上7頭目の2連覇を狙うエネイブル、11か月ぶり復帰戦の前走は好内容の勝利だったが…… 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 現地3日に締め切られた追加登録を受け、昨年の18頭と同程度の多頭数で争われることになりそうな今年の凱旋門賞。その主役を担うのも昨年と同様にエネイブルだが、故障に見舞われて予定が大幅に狂った今年は隙もありそうだ。

 昨年は破竹のG1レース4連勝で凱旋門賞に臨んだエネイブルだが、今年は始動戦を前にヒザを故障して再調整。前走で復帰するまでに11か月も実戦から遠ざかった。そのセプテンバーSではマイペースの逃げを打ち、直線でひと脚伸ばす程度の理想的な内容で完勝している。キングジョージ6世&クイーンエリザベスSで僅差の2着という実力馬クリスタルオーシャンを、J.ゴスデン調教師いわく8割という状態で退けたとあれば、3歳からの成長力も担保できたと考えられそうだ。

 ただし、相手を1頭に絞れた前走に比べて同等かそれ以上の強敵が集結し、今回のパリロンシャン競馬場は未経験の上に斤量も昨年比3kg増と、長期休養明けの2戦目としてはハードルの上がり幅が大きい。連覇達成なら史上7頭目の快挙だが、100回近い歴史の中で6頭しかいない事実が、前年以上に困難な戦いとなることを暗示している。

叩き2走目クリンチャーはどれだけ粘りを増しているか

武豊騎乗で挑む日本馬クリンチャーは叩いた効果に期待、あとはひと雨降れば 【Photo by Photostud】

 日本から遠征のクリンチャーはフォワ賞完敗から如何にして巻き返すか。叩き良化型の同馬に久々の実戦は敗戦を織り込める条件だったが、直線であっさりと置き去りにされた内容は物足りない。2戦目の良化分を加味しても瞬発力勝負では分が悪そうで、宮本調教師が言うようにひと雨でも欲しいところだ。オープンストレッチが使用されないことになったのは、先行力があるクリンチャーに朗報といえ、あとはひと叩きでどれだけ粘りを増しているかが鍵だろう。

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