10月の京都千八ダートは前走芝が穴使者? 未勝利・500万級で好走、配当妙味も◎

JRA-VANデータラボ

京都ダート1800mで興味深いデータ

 今週から秋の東京・京都開催がスタートする。3日間開催で重賞も3つ組まれているが、今回も地味ながらダート戦に注目してみることにする。コース別にそれぞれ傾向・特徴は異なる中、今回は京都ダート1800mで興味深いデータを見つけた。データの集計期間は2012年以降から今年9月23日開催終了時点まで。データの集計・分析はJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

 10月に開催される中央場所のダートコースは、東京が1300m、1400m、1600m、2100m、京都が1200m、1400m、1800m、1900mとなっている。その中からは今回京都ダート1800mにスポットを当ててみたい。現在、重賞ではみやこSが組まれているコースだ。

10月の京都ダート1800m出走の前走コース別成績(2012年以降)

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表1は10月の京都ダート1800mに出走した馬の前走コース別成績。やはり前開催である阪神を使っていた馬の頭数が圧倒的に多い。同じ距離である阪神ダート1800m組が【30.45.28.239】となっている。好走率は良くも悪くもなく、回収率も普通といったところか。厳密には阪神ダート1800mから京都ダート1800mに替わって歓迎もしくは、逆に不安となる馬もいるはずではある。しかし、変わり身の度合いという意味では、前走はダートではなく、芝を使っていた馬の方が大きい可能性を秘める

 実際、10月の京都ダート1800mでは前走芝を使っていた馬の好走がかなり多いことがわかった。表1で記したように、特に阪神芝1800m組は【4.1.4.24】という成績で、単・複の回収率も高い。以下、出走頭数は少なくなるが、京都芝2000mや阪神芝1600m、小倉芝1800mや京都芝1600m組など、前走芝のレースを使っていた馬の好走が目立つ。京都ダート1800m以外のコース成績を調べると、前走芝組はここまで好成績を残せていない。

前走芝に出走していた10月の京都ダート1800m出走馬の成績(2012年以降)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2は前走芝に出走していた馬のみに絞り、10月の京都ダート1800m出走馬の成績を調べた。前述したように勝ち馬の数では阪神芝1800mが最多。以下、1600mや2000mと、1800m前後の距離が並ぶ。同じ芝でも1400m以下を使っていた馬では、やや苦しい。阪神芝1400m組は複勝率が40%あるものの、勝ち馬はゼロ。また、小倉芝1200m組も【0.0.0.10】という成績。芝短距離からの変わり身は、あまり期待できないと言えるだろう。

前走阪神芝1800m出走で好走した馬

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 ここで前走芝→京都ダート1800m替わりで好走した馬を具体的に見ていくことにする。表3は前走阪神芝1800mに出走し、10月の京都ダート1800mで好走した馬。2012年以降では9頭いる。レースのクラスを見ると、未勝利戦か500万クラスとなっている。常識的に考えると、上級クラスの馬よりはキャリアが浅い馬の方が、変わり身を期待できそうではある。特にダートを使ったことがなかった馬というのは、魅力的。表3のキーフラッシュやキクノルア、カラパナビーチ、キンショータイムは初めてのダート戦で一変してみせた。該当馬の人気を見ると、1、2番人気だったケースはない。配当的な妙味もあると言える。

 経験したことがないダートで走るか走らないかの判断は、簡単ではないものの血統は大きなヒントになりそうだ。特にミスタープロスペクター系の血は注目に値する。アグネスデジタルやプリサイスエンド、フォーティナイナーやキングカメハメハなど、ダートがいかにも合いそうな血統が見られる。

 他の系統もカネヒキリやアグネスタキオン、ブライアンズタイムなどパワータイプの血で構成されているケースが多く、芝よりもダート向きという印象の馬が結果を出している。

 阪神芝1800m組以外の好走馬を見ても同様の傾向が見られる。クラスは未勝利戦、初ダート、ミスタープロスペクターの血。この3つの要素が揃った前走芝の馬は、大きな狙い目になると言えるだろう。
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