少頭数の神戸新聞杯は人気サイド傾向も… ワグネリアン頭鉄板とまでは言い難く

JRA-VANデータラボ

人気・馬番別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 ここからは、前走以外のデータも見ておきたい。まず人気と馬番の関係だが、上位人気馬(5番人気以内)なら2桁馬番のほうが好成績という結果だ。今年は登録馬が少なくなってしまったが、もし該当馬がいるようなら注目したい。

馬体重・増減別成績

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 馬体重別では、460キロ未満で出走した馬は連対なし。また、6番人気以下の馬にかぎると、460キロ台から490キロ台までしか好走がなく、穴馬は500キロ以上の大型馬も苦戦という傾向が出ている。夏を越して大きく増やしてくる馬がいる可能性もあるだけに、現時点ではなんとも言い難いが、当日は必ず馬体重をチェックし、改めて確認したいところだ。

キャリア別成績

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に、キャリア別成績も見ておこう。中心となるのは5戦〜9戦の馬。10戦以上では08年のダービー馬・ディープスカイが1番人気で優勝、その他の馬はすべて5番人気以下で馬券圏外に終わった。そしてキャリア3戦での3着1頭は、3戦全勝だった11年のフレールジャック。全勝馬でも連対までは届かなかった。また、キャリア5戦の馬は1番人気以外だと【0.0.4.6】と、複勝率こそ高くても連対がなくなるのは、やや気になるところだ。

結論

 1番人気馬が安定している神戸新聞杯。特に、出走頭数が少ない年は穴馬のチャンスは少なくなる。前走別では日本ダービー組が断然。ただ、4〜8着馬は好走がなく、3着以内ならかなりの好成績。9着以下でも軽視は禁物だ。他のレースでは、近年は条件戦組の躍進が目立っている。

 今年はダービー馬・ワグネリアンが駒を進め1番人気が予想される。しかし同馬の日本ダービーは5番人気での優勝のため、表2から頭鉄板とまでは言い難い。加えて馬体重も、前走450キロからどこまで増やしてくるかもカギになる(表7)。1番人気の安定感から消すのは危険だが、他の馬にも逆転の目はあると考えたい。その筆頭格は、皐月賞馬でダービー2着のエポカドーロ。ここも上位人気必至で表4に問題はなく、馬体重の面でもこちらはクリアしてきそうだ。ほかでは、馬体重重視ならアドマイヤアルバだが、キャリアは10戦。キャリア重視なら、前走452キロから上積みが欲しいもののステイフーリッシュが挙げられる。

 その他の組では、近年の好走が多い条件戦組の登録がダブルシャープ1頭のみで、前走3着ではやや苦しいところ。近年の傾向とは異なるが、重賞組から選ぶとすれば、好走馬3頭を出すラジオNIKKEI賞(表3)を制したメイショウテッコンが候補になる。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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