少頭数の神戸新聞杯は人気サイド傾向も… ワグネリアン頭鉄板とまでは言い難く

JRA-VANデータラボ

菊花賞へ向けた最重要ステップレース

 秋のG1シーズン開幕を翌週に控え、今週もステップレースが2競走。秋の天皇賞へ向けたオールカマー、そして菊花賞トライアルの神戸新聞杯が行われる。今回はこのうち、菊花賞へ向けた最重要ステップレースとなる神戸新聞杯を取り上げたい。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.とTarget frontier JV、馬天楼 for データde出〜たを利用した。

人気別成績

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まずは人気別成績から。過去10年、1番人気は【7.2.0.1】で馬券圏外は09年4着のアンライバルドのみ。ほとんど連対を外すことがないばかりか、10年で7勝と勝率も非常に高く、よほどの理由がないかぎりは中心候補となる。また、1〜3番人気で3着以内に20頭、4〜9番人気が同10頭で、平均すれば1〜3番人気から2頭、4〜9番人気から1頭馬券に絡むことになる。また、2桁人気だった馬は好走がない。

 ただ、今年は登録馬が11頭と少なく、もう少し範囲を狭めたいところ。過去10年では12頭立てが2回あり(1回は1頭取り消して出走は11頭)、2→1→5番人気と、1→2→3番人気の決着だった。次いで少なかったのが14頭立ての2回で、このうち09年は7→5→3番人気の波乱だったが、昨年は1→2→3番人気で収まっている。このように、14頭以下の年にかぎると、3着以内馬12頭11頭は5番人気以内。登録馬の少なかった今年も、表1の印象よりも人気サイドに寄せて絞った狙いが良さそうだ。

1番人気馬の前走

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 1番人気が圧倒的な成績を残しているため、もう少し細かく見てみたい。過去10年の1番人気馬はすべて前走で日本ダービーに出走していた。このうち、優勝した7頭中6頭は、日本ダービー3番人気以内での連対馬だった。ゴールドシップ(日本ダービー2番人気5着)の例もあるだけに絶対条件ではないものの、1番人気が1着候補最有力となるには満たしたいデータだ。

前走クラス、レース別成績(レースは好走馬輩出レース)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走クラス・レース別では、やはり日本ダービー組が断然。先述のとおり1番人気馬はすべてこの組から出ており、表1にあったように連対率90.0%。一方、ダービー組でも2番人気以下になると、複勝率は20%台前半にまで低下する。ただ、その他のレースは好走馬が分散しており、最多でもラジオNIKKEI賞組の3頭。そして他のレース全体では複勝率12.6%とさらに低くなるため、ダービー組の2番人気以下でも、その点だけで評価を下げる必要はない。

前走ダービー出走、本競走2番人気以下の好走馬

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は、そのダービー組のうち、本競走2番人気以下で出走した好走馬である。各馬のダービー着順は、2〜3着が4頭、そして9着以下が4頭。前走ダービー4〜8着馬は好走がなく、16年2番人気のエアスピネル(ダービー4着)が5着に敗退した例などがある。前走ダービー3着以内馬なら【1.3.0.2】で連対率66.7%のため、今回2番人気以下でもかなり有力。そして9着以下でも【0.1.3.16】で複勝率は20.0%あり、大敗していた馬でも軽視はできない。

 また、前々走の成績も合わせて見ると、ダービーで連対していなかった馬は、前々走の重賞で賞金を加算したり、ダービーの優先出走権を獲得したりしていた。ダービーも含め2戦連続で凡走したような馬では苦しい。また、今回5番人気以内が8頭中7頭を占めている。先に触れたように、頭数の少ない年も上位人気が中心になるため、今年のダービー組は上位人気に絞りたい。

前走日本ダービー以外からの好走馬

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 一方、前走ダービー以外の好走馬を見ると、以前は重賞組が多かったが、過去5年では好走7頭中6頭が条件戦、5頭が1000万条件だった。条件戦組なら3番人気以内での連対が基本で、これを満たせなかったのは、前走が1600mと距離が大きく違ったマジェスティハーツと、1600万条件だったリアファルである。

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