「スーパー未勝利」ダートに単勝15倍の壁 10倍台後半は買う価値が低いゾーンに

JRA-VANデータラボ

今度は「ダート」「単勝オッズ」に注目

 先週の本コーナーでは出川塁氏が「スーパー未勝利戦」(4回阪神、中山の3歳未勝利戦)を取り上げ、特にキャリアと前走着順の関係については詳しく分析されており、たいへん興味深いものだった。それに刺激され当方もさらに調べてみると、「単勝オッズ」でもおもしろい傾向が見られたため、今回はそれを紹介したい。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.とTarget frontier JVを利用し、集計対象は秋の阪神・中山の「スーパー未勝利戦」(14年は中山代替の新潟)。また、本年は17日の阪神4レースを最後に芝の「スーパー未勝利戦」は終了し、今後はすべてダートで行われるため、ここでも特に表記がなければダート戦を対象としている。集計期間は13年から17年の5年間とした。

人気別成績

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まずは、先週も出川氏が表1として紹介していた人気別成績を、芝・ダートに分けて集計してみた。今年は開催後半がすべてダート戦ということからもわかるように、「スーパー未勝利戦」に芝のレースは少なく、基本的には先週の表と大きな変わりはない。「狙い目」として挙げられていた3番人気はやはり良く、ダート戦にかぎると複勝回収率も100%を越えてくる(全レースでは96%)。

単勝オッズ別成績

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 さて、今回のポイントとなる単勝オッズ別成績が表2である。単勝10倍以上15倍未満と、15倍以上20倍未満の間に大きな差があり、連対率、複勝率で約15ポイントの差がついている。また、15〜19.9倍と、30〜40倍台を比較すると勝率、連対率は逆転しており、複勝率でもさほど大きな差はないため、当然回収率は単複とも30〜40倍台が上。単勝10倍台後半は配当妙味の面からも、かなり買う価値が低いゾーンになってしまっているのだ。表の右に記したように芝ではこれほど極端な差はなく、「スーパー未勝利」がダート戦ばかりになる、この開催後半2週では特に有効なデータと言えそうだ。

参考:6〜8月・3歳未勝利・ダート戦の単勝オッズ別成績

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 では、「スーパー未勝利戦」以外はどうだろうか。表2は「スーパー未勝利戦」にかぎらない傾向という可能性もあるため、比較として6〜8月の3歳未勝利・ダート戦について調べたのが表3である。こちらでも確かに15倍未満と15倍以上で差は出ているものの、連対率で約5ポイント、複勝率で約7ポイントと、表2ほど極端なものではない。ここから20倍台、30〜40倍台と徐々に低下し、単勝オッズ別の好走確率としてはかなり自然なもののように見える。回収率を見れば完全にオッズ相応とも言えないが、少なくとも表2とは明らかに傾向が異なることはわかるだろう。

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