注目無敗レイエンダは買いデータ少なく セントライト記念は実績馬か上がり馬か?

JRA-VANデータラボ

前走ダービー出走馬のキャリア別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走ダービー出走馬の場合、キャリアに着目すると面白い。表5の通り、キャリア5戦か6戦なら抜群の成績を残す一方、キャリア7戦以上は明らかに数字がダウンするのだ。また、表1の項で「皐月賞かダービーで3着以内の実績を持つ1番人気馬は【2.2.1.1】」と述べたが、このケースで3着以内に入れなかった唯一の馬が、キャリア10戦のサトノラーゼンだった点も示唆に富んでいる。キャリアが少ない馬のほうが夏から秋かけての余地が残されているという推論も成り立ちそうで、非常に興味深いデータだ。

前走ラジオNIKKEI賞出走馬の前走着順別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6は、前走ラジオNIKKEI賞出走馬の前走着順別成績。これもわかりやすい傾向が出ており、セントライト記念で3着以内に入った5頭中4頭は、ラジオNIKKEI賞で1、2着に入っていた。唯一の例外である17年3着のサトノクロニクルは、ラジオNIKKEI賞で1番人気に推されていた馬だった。すなわち、ラジオNIKKEI賞で1、2着か1番人気が目安とみなすことができそうだ。

前走500万下・1000万下の前走距離別成績(芝のみ)

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は、前走で500万下か1000万下に出走していた馬の前走距離別成績(芝のみ)。この組で好走例がある前走距離は、表7に掲載した3つだけだった。興味深いのは、前走が条件戦の場合、芝1800mか芝2200mに出走していると好成績を収めているのに対して、芝2000mは好走率がかなり下がってしまうこと。前走が条件戦だった馬は、その距離に注目すると好結果につながるのではないか。

種牡馬別成績

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表8は種牡馬別成績で、今回は1、2着馬を出した種牡馬のみ掲載した。まずは、集計対象の9年で3勝のステイゴールドを筆頭に、サンデーサイレンス系の種牡馬が8勝を挙げている点が目につく。そのサンデー系で注意点を挙げるとすれば、出走例が最多のディープインパクトは2、3着どまりのケースも多いということ。サンデー系以外の父を持つ馬で唯一1着となったのは、シンボリクリスエス産駒のユールシンギング(13年)。同系統のブライアンズタイムやタニノギムレット、スクリーンヒーローも2着馬を出しており、ロベルト系も注目の存在といえる。

結論

 今年のセントライト記念に登録がある17頭のうち、今回調べたデータから有力と思われる馬を探していこう。

 まず、前走でダービーに出走していた馬は5頭。この組はキャリアが5戦か6戦だと好走率が高く、該当するのはオウケンムーン、グレイル、コズミックフォース、ジェネラーレウーノの4頭。なかでも父ハーツクライがサンデーサイレンス系のグレイル、父スクリーンヒーローがロベルト系のジェネラーレウーノが血統的にはよさそうで、両馬ともに前走時で490キロ台と十分な馬格を備えている点も好感。さらに絞るなら、勝ち切る例が多い関東馬のジェネラーレウーノが有力となるだろうか。

 前走G1の好走例はダービー組なのだが、NHKマイルC2着以来となるギベオンも人気を集めそうな1頭。ただし、本馬は関西馬かつディープインパクト産駒で、いずれも2、3着が多い傾向があるにあることは頭に入れておきたい。

 前走条件戦組では、前走で芝1800mか2200mのレースを使っていた馬の成績がよかった。この観点から浮かび上がるのはケイティクレバータニノフランケルダブルフラットの3頭。ケイティクレバーの前走は1600万下となるが、前走1000万下が好走できて1600万下で好走できない理由はないだろう。

 最後にレイエンダにも触れておこう。昨年のダービー馬レイデオロの全弟で、これまで3戦3勝という戦歴からも注目される1頭だが、前走の1000万下は芝2000mで、父のキングカメハメハもサンデー系でもロベルト系でもない。今後が楽しみな素質馬には違いないが、今回のデータ分析にはあまり沿わない馬という評価としたい。

文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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