「力違う」「不安」スプリント王者に賛否 秋競馬開幕!セントウルSの記者座談会

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 いよいよ秋競馬の開幕となるが、日曜阪神のメインは、サマースプリントシリーズの最終戦としてセントウルSが行われる。この秋のGI戦線を占う興味深いメンバーが集まっているが、秋のスタートをビシッと決めるTM(トラックマン)は、果たして誰か?

王者ファインニードルを脅かすのは イキのいい3歳勢?

春の短距離GI高松宮記念を制したファインニードルがここから始動(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「サマースプリントシリーズは、対象レースを2勝したアレスバローズが20ポイントを獲得して、ここで逆転できるのは、勝てばの条件が付くラブカンプーだけなんだな。そういう意味でも、このレースはサマーシリーズの最終戦というより、スプリンターズSの前哨戦という色合いが濃いだろ」

中邑「ここはスプリントGI春秋連覇に向けてファインニードルが負けられないところでしょう。春の高松宮記念は直線の外目から内の各馬をねじ伏せる着差以上の強さでしたし、昨夏のオープン入り以降、国内で敗れた2戦がともにスムーズさを欠いての結果で、とにかく自分の競馬ができた時は完勝ですからね。GIIとはいえ、今回のメンバーは一連のサマーシリーズと変わらないGIIIレベルの印象を受けますし、ここは実力が一枚も二枚も違うと思いますよ」

桜井「次に目標がある休み明けで“完調にはもう一歩で本番へ向けた叩き台”と見られてもおかしくはないですが、その分の割り引いたとしてもお釣りが来るくらい、力は頭一つ抜けているでしょうね」

須藤「僕は、この馬には休むたびにワンランク上の力を身に付けている印象を受けますね。馬体が更に良くなって、今回もパワーアップしていると思います」

広田「坂路で再三好時計をマークしていることを考えれば、僕も香港遠征の疲れが取れての好仕上りだと思いますよ。課題だった折り合いも、今年に入ってのレースぶりから不安はなくなっていますし、昨年に続いてのレース連覇が濃厚でしょう」

デスク「そのファインニードルの昨年は、北九州記念からの臨戦だったし、サマー王者に輝く可能性もある中での勝利だったわけだけど、やっぱり今年はレースに臨む意味合いも違うと思うが」

細川「昨年は、その先のスプリンターズS出走に向けても、賞金加算が必要だったという点で、確かに今年とは違う状況でしたね。ただ、多少の緩さがある仕上げでも“GIに向けて恥ずかしくない競馬はできる”と、高橋忠師も自信たっぷりに話していましたし、馬場が渋るとはいえ、開幕週ならこの馬の力が削がれるほどの悪化もないでしょう」

田崎「僕はファインニードルの力は認めても、やはり目標の違いに少々の不安を感じますね。それなら“勝てばサマー王者”のラブカンプーを。先行しての粘り強さは特筆モノですし、ここは阪神の坂が課題となりますが、目下の充実ぶりと52キロの斤量で克服できていいはずです」

吉田ラブカンプーは、今回のような水を含んだ馬場も初体験となりますが、この距離では常に馬券に絡む粘りを見せてますし、まず崩れることは考えにくいんやないかと思うてます。不安があるとすれば、小柄な牝馬が今年8戦目となる点でしょうが……」

デスク「そもそもタフな馬なんだろうし、そこは3歳という若さもあるだろ。俺だって、若い頃は徹マン明けでもへっちゃらだったからな」

細川「さすがに馬と人とは違うと思いますが、体調はいい意味で維持できてますよ。以前とは違って、掛からずに先行できているのは成長の証ですし、サマー王者のタイトルはもちろんのこと、今後のために賞金を加算したいという陣営の思いも伝わってきますね」

持木「同じ3歳牝馬のアンヴァルは、ラブカンプーとの対戦成績が2勝2敗の互角なんですが、前走の北九州記念はスタート後に挟まれて位置取りが悪くなった上に、直線でも前が詰まって完全に度外視できる競馬でしたからね。この阪神ではフィリーズレビューで見せ場十分の4着もありましたし、もう少し積極的な競馬ができればチャンスも十分あると思います」

市場アンヴァルは、2歳時には1200mで先行する形での3連勝を飾っていますし、スムーズに運ぶことができれば古馬相手でもやれる力はあるはずです。前走は再三の不利に加えて久々の分もあったと思いますが、調教での素軽さという点では今回の方が状態も上と見ていいので、ここは一変も十分にありますよ」

瀬古「僕はアサクサゲンキを今一度見直す手かと思いますね。前走の北九州記念は、外枠のロスを軽減するために内目へ入れたのが裏目に出たもので、直線で外へ持ち出せずにさばき切れなかった形。内枠を利してロスなく立ち回った勝ち馬とは対照的なレースになりました。それでもレコードにコンマ1秒差の高速決着で大きく離されたわけでもないですし、CBC賞でも出遅れる大きなロスがあっての4着なら、古馬相手でも通用する力は見せていると言えます。とにかくスムーズに立ち回れば、逆転の目もあるはずですよ」

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競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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