期待の藤原、1番起用も「自分の力不足」 U18侍ジャパンはわずか2安打…
台湾に敗れ肩を落として引き上げる日本代表 【Getty Images】
それまで4番だった藤原恭大(大阪桐蔭3年)を1番に、1番だった小園海斗(報徳学園3年)を2番に、3番に根尾昂(大阪桐蔭3年)、4番に野尻幸輝(木更津総合3年)と、大幅に打順を組み替えた日本。5日の韓国戦後に「調子のいい者から打順を組み替える」と明言していた永田裕治監督は、「バットの振れている順番に変えた」と起用意図を説明した。
しかし、台湾の先発左腕ワン・イェンチェンの140キロ前半のストレートとスライダーのコンビネーションの前に2安打しか打てず1得点のみ。そのヒットも小園のセーフティバントによる内野安打、野尻の右中間に飛んだフライを台湾外野陣がお見合いしての二塁打だけ。チャンスらしいチャンスもなく、「粘って日本らしい野球をしたい」(永田監督)の思惑とは裏腹に、わずか102球での完投を許した。
相手投手に素直に脱帽
1番に起用されたが一度も出塁できず、藤原は試合後に悔しさをあらわにした 【写真は共同】
悔しさをあらわにしたのは藤原だ。
根尾や吉田輝星(金足農3年)と並んで、今年のプロ野球ドラフト会議の目玉でもある。肉がギュッとしまった太もも、均整の取れたスラッとしたアスリート体型からのプレーぶりは“野生的”の一言。高校生離れしたスイングスピード、二塁から三塁へ向けてグーっと加速する俊足、センターからの強肩は見る人を魅了する。
1次ラウンドでは3戦で9打数6安打(打率6割6分7厘)を記録し、4四球も加えて出塁率は7割6分9厘と好調だった。史上初、2度目の春夏連覇を達成した大阪桐蔭では4番として3本塁打と活躍したものの、本人は「1番のほうがやりやすい」と語る。前日の練習中に1番と聞かされて「自分がやってやるぞ」と気合は入っていた。
試合前練習では、今大会149キロを記録した奥川恭伸(星稜2年)が登板したフリーバッティングで、ライナー性の鋭い打球を放ち、藤原も「状態は良かった」と語る。しかし、終わってみればセカンドゴロ、サードゴロ、サードゴロ、サードファウルフライと4打数無安打。「特別すごいボールはなかった。ストレート1本に絞っていたが、コントロールと投球術が良かった」と相手投手に脱帽した。
「明日何が何でも勝たないと」と前を向く
ただ、第2打席は2ストライクと追い込まれてから、ボール気味の高めのストレートに手が出てしまった。2点ビハインドの9回、先頭打者で迎えた第4打席も1ボール2ストライクから高めのストレートを打ち上げてしまった。「しっかりとしたスイングをしよう」と打席に入るも、「自分の張っていたボールと違うボールが来た。追い込まれてからは当てにいってしまった」と自身の技術不足を認めた。
この日の敗戦で、2大会連続6度目となるアジア王者への道は途絶えてしまったが、日本にとって落ち込んでいる暇はない。アジア選手権3位ならば来年の韓国で行われるU18野球ワールドカップへの出場権を獲得できる。藤原は「負けてしまって申し訳ない気持ちがあるけど、切り替えて全力で戦いたい。明日は何が何でも勝たないといけない」と、きっぱりと8日の中国戦へ前を向いた。
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