カープ芸人が送る惜別のメッセージ「新井さんに最高のフィナーレを」

ザ・ギース 尾関高文

みんなが笑顔になる新井さんエピソード

9月5日、今季限りでの引退を発表した新井だが、試合前の練習では普段どおり笑顔で汗を流した 【写真は共同】

 かつてカープでキャッチャーをしていた西山秀二さんにお会いした時は、楽しそうに新井さんの守備についてのお話をしてくださった。ファウルボールを追いかけてフェンスに上った新井さんの3メートル手前にボールが落ちることなどザラ。一番ひどい思い出はアウトカウントを間違えてボールをスタッフに渡したら、その間に点が入ってしまった事だ。「あの時は本気でキレたね」と笑いながら教えてくださった。

 大野寮の料理長・宮本悦夫さんにお会いした時は、とにかくよく食べた思い出の選手として真っ先に新井さんを挙げた(続いて鈴木誠也選手とのこと)。歴代で一位ではないかという食いっぷりだったそうだ。

 磯村嘉孝選手は新井さんによくご飯に連れて行ってもらうのだが、10人前単位で信じられないほどの量のお肉を頼むのだとか。新井さんにとってはそれが普通の量なのだ。残さないようになんとか平らげる磯村さん。もうはち切れそうな状態で帰宅かと思った矢先、なんと締めのラーメンの誘いが来たそうだ。磯村選手の驚きはさらに続く。新井さんがラーメン屋でラーメン大盛りと、さらに餃子まで頼んだというのだ。後輩にたくさん食べさせてあげたいという思いが、少しユニークな形で出てしまう新井さん。ほっこりうっかりエピソードである。

 以前広島で乗ったタクシーで運転手の方から、こんな話を聞いたこともある。16年のシーズン前に新井さんを送迎した時、「頑張って下さいね」と声をかけた運転手さんに新井さんははっきりこう答えたそうだ。「今年は喜んでもらえる結果になると思いますよ」と。その言葉通り、その年に25年ぶりの優勝を果たしたカープ。こんな言葉を新井さんに言ってもらえて、一生の思い出ですとその運転手さんはおっしゃっていた。

 全ての人を笑顔にする新井さん。

 全ての人を幸せにする新井さん。

 引退試合は行わないと、最後まで全力で駆け抜けようとする新井さん。

 20年間本当にお疲れ様でした。

【写真:ザ・ギース 尾関高文】

 僕がネタ帳として使っているこのノートのような、新井さんの豪快なホームランを最後の打席で見ることができますように。そして新井さんの願い通り、日本シリーズで最高のフィナーレが待っていますように。

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著者プロフィール

1977年8月6日生まれ。身長190センチ、体重80キロ。広島県東広島市出身。キングオブコント2008、2015決勝進出。広島東洋カープをこよなく愛す。無類の恐竜好きでもあり、博物館などで恐竜のイベントも行う。娘にお弁当を作ることがライフワークである

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