投手・大谷の復帰はいつ? いよいよ実戦モードで最初のハードルへ
8月18日(現地時間)、レンジャーズ戦の前にブルペンで投球練習をする大谷 【写真は共同】
試合後、「前後の(配球の)組み立てとか、考える必要もなかったですし、来た球に対してしっかり強いスイングができればいいなと思っていた」と淡々と振り返った大谷だが、普段より声に張りがある。
投手としての復帰が近い。自ら、「復帰に向けて、目処が立っている」とも話したが、大谷は明るい表情で続けた。
「投げられない時期に比べたら、キャッチボールもできるし、ブルペンでも投げられますし、すごい気持ち的には前向き」
暗いトンネルの向こうに、光が差し込もうとしている。
6月に投手離脱してから2カ月半
6月6日のロイヤルズ戦で右肘の靭帯に違和感を覚えてから、初の本格的な実戦登板。すでに打者を立たせてブルペンで投げてはいるが、今回は相手も振ってくる。また、オープン戦などが行われる球場(ディアブロ・スタジアム)で投げる予定。これまでとはまるで状況が異なるだけに、次に向けた大きなステップと捉えられる。
さて、ここまで来ると今後の予定も見えてくるが、7月19日にキャッチボールが解禁され、捕手を立たせたままとはいえ、ブルペンに入ったのが8月11日。その間、ゆっくりと距離を伸ばし、強度を高めていったが、ブルペンに入ってからは、テンポが早まった。
7月19日 再検査の結果、キャッチボール解禁
7月31日 70メートルの遠投
8月1日 強弱をつけながらキャッチボールで100球以上
8月6日 ブルペンでタオルを使ってシャドーピッチング
8月11日 捕手を立たせてブルペンで23球
8月13日 ブルペンで33球
8月15日 本拠地のブルペンで35球を投げたあと、打者を相手に「アップ・アンド・ダウン」。最初が15球。2回目が18球。(※アップ・アンド・ダウンとは試合での投球をイメージし、イニング間隔を設けてピッチングすること)
8月18日 軽いブルペン、20球
8月20日 ディアブロ・スタジアムでシュミレーションゲーム(予定)
8月11日に捕手を立たせたままブルペンで23球を投げた後は、中1日のペースでブルペンに入っている。18日のブルペンも当初は17日に組まれており、予定通りならば、中1日だった。
大谷はペースについて、「予定通り来ているんじゃないかと思うので、特に遅いなとか早いなとかはない」と話したが、傾斜を使って投げ始めると最初は体に軽い張りを感じるもの。ケガの箇所が箇所だけに、張りが肘にまで及ぶようなら、大事を取って調整を見合わせるケースが多いが、予定を変更するほどではなかったということ自体、明らかにポジティブなサインである。もちろんまだ、復帰までに何があるかわからないが、本人の言葉を借りるなら、「すごく順調に来ている」ということになる。その言葉は、これまでの流れが証明している。