甲子園で持ち味発揮の根尾、吉田ら スカウトうならすドラ1候補を診断

西尾典文
アプリ限定

攻守に堅実さがアップした根尾

豪快なフルスイングだけではなく、しっかりとした形でとらえることができる打席が増えた大阪桐蔭・根尾 【写真:岡沢克郎/アフロ】

 8月4日に開幕した第100回全国高校野球選手権。今秋のプロ野球ドラフト会議を賑わせる可能性の高い選手も数多く登場したが、それぞれが持ち味を発揮して居並ぶスカウト陣をうならせている。

 大会2日目、まずその実力を見せつけたのが最大の注目選手である大阪桐蔭の根尾昂と藤原恭大の2人だ。根尾は第1打席で外角高めに浮いたチェンジアップを呼び込んでレフト線に弾き返す三塁打を放ち、この時の三塁到達タイムは11.16秒をマーク。これは今大会で全出場校が登場した時点で最速のタイムである。

 7回の守備ではセンター前に抜けそうな打球に俊敏なフットワークで追いつくと、華麗に体を回転させてファーストへ送球。間一髪のタイミングでアウトにしてみせた。下級生の頃は外野を守ることが多く、投手も兼任しているためショートの守備はまだまだという評価もあったが、センバツ以降も堅実さが確実にアップした印象を受ける。また、バッティングも豪快なフルスイングだけでなく、しっかりとした形でとらえる打席が増えたこともプラス材料だ。

藤原、迫力満点のフルスイング

 一方の藤原も根尾に負けないプレーを見せた。1点リードで迎えた8回裏の第4打席、低めのカーブを完璧にとらえてライト前へ運ぶと、それを相手のライトが後逸する間に一気にダイヤモンドを駆け抜けてホームイン(記録はシングルヒットとライトのエラー)。この時のベース一周のタイムは14.60秒というものだった。ちなみに大会5日目には横浜の内海貴斗もランニングホームランを記録しているが、そのタイムは16.62秒。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント