【新日本プロレス】棚橋がオカダとドローで優勝決定戦進出 3度目Vへ「ちょっくら優勝してきます」

高木裕美

ジェイはEVILに敗れ決勝進出逃す

EVILが必殺のEVILでジェイを破り、ジェイの決勝進出の望みを断ち切った 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 セミファイナルでは、ジェイ・ホワイトがEVILに敗れ、決勝進出のチャンスを逃した。

 この試合でEVILに勝利し、かつメインで棚橋がオカダに敗れれば、決勝進出の権利があったジェイ。だが、その野望はEVILによって打ち砕かれた。

 ジェイは開始早々、トップロープ超えのバックドロップでEVILをエプロンの角に投げ捨て、さらに鉄柵へ。EVILもお返しの鉄柵攻撃を見舞うが、ジェイはジャーマンスープレックス、捻りを加えたブレーンバスターから、レフェリーの死角を突いての金的攻撃。EVILは苦しみながらもハーフネルソンスープレックス、ラリアットを繰り出すと、ジェイもスリーパースープレックス、キーウィー・クラッシャー。さらにリング下からイスを取り出し、さらなる反則を狙うも海野レフェリーが体を張って阻止。ブレードランナーとEVILの攻防から、ついにEVILがEVIL(変型大外狩り)でフィニッシュを決めた。

 これでジェイは6勝3敗の12点と惜しくも3位。とはいえ、今年は1月に当時のIWGP USヘビー級王者であったケニー・オメガからベルトを奪い、G1では棚橋、オカダの2人から勝利。CHAOSでの立場は微妙になっているものの、そんなことはお構いなしに、シングルプレーヤーとして今後も躍進が期待できそうだ。

 一方、EVILは5勝4敗の10点と4位タイ。今年は昨年のオカダ戦のような大金星はなかったものの、堂々とした戦いぶりが観客に支持された。

みのるは反則裁定に怒りあらわ

ファレに反則勝ちしながらも怒りが収まらなかったみのる(中央) 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 鈴木みのるはバッドラック・ファレに反則勝ちを収めるも、怒りをあらわにした。

 ファレは奇襲を仕掛け、電源コードでみのるの首を絞めるが、みのるも鉄柵にぶつけ、イス攻撃でお返し。だが、腕ひしぎ逆十字固めを狙おうとしたところに、BULLET CLUB OGのタンガ・ロアが乱入し、みのるに串刺しラリアット。ファレもボディープレスで圧殺し、さらにバッドラックフォールの体勢に抱え上げるが、みのるが切り返してスリーパーで捕獲。一度は逃げられるも再度スリーパーで絞め上げたみのるがゴッチ式パイルドライバーで仕上げにかかえろうとしたところ、今度はタマ・トンガが背後から襲いかかり、ガン・スタンを発射。だが、これはレフェリーも目撃しており、即座に反則のゴングが打ち鳴らされた。白星は得たものの、怒りの収まらないみのるは、イスを手にBULLET CLUB OGが退場した花道を追いかけていった。

 これでみのるは5勝4敗の10点と4位タイ。優勝争いには絡めなかったものの、50歳とは思えぬスタミナと殺気で、常に公式戦に緊張感を与えていた。

 一方、ファレは3勝6敗の6点で6位タイ(最下位)。黒星はすべて反則負けであり、G1への参加意義すら問われる戦いであった。公式戦はこれで終了したものの、BULLET CLUBの内紛劇は今なお続いており、11日のケニー・オメガvs.飯伏幸太の一戦でも、一波乱起こしそうな気配は漂っている。

YOSHI-HASHIは値千金の3勝目

YOSHI-HASHIはハングマン・ペイジに勝利し、値千金の3勝目を手に入れた 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 YOSHI-HASHIはハングマン・ペイジに勝利し、値千金の3勝目を手に入れた。

 ペイジは開始早々、場外へのシューティングスタータックルを繰り出し観客の度肝を抜くと、さらにジ・アダムスアップル、ドロップキック、セカンドロープからのネックブリーカーなどで攻勢をかけるが、YOSHI-HASHIが起死回生のカナディアンデストロイヤーで形勢逆転。バッククラッカーから雄たけびを上げ、カルマでトドメをさした。

 これで両者共に3勝6敗の6点で6位タイ(最下位)。初出場のペイジにとっては、名刺代わりに全国のファンに名前とファイトスタイルを売る良い機会となったともいえるが、YOSHI-HASHIは開始直後からダントツの最下位で低迷。ファレの反則行為で白星を拾ったこともあり、6位タイというまずまずの戦績は残せたものの、来年の出場権獲得はかなり厳しい状況といえるだろう。

真壁がエルガンに意地の勝利

真壁(上)は意地を見せ、エルガンに勝利。G1最終戦を白星で終えた 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 真壁刀義はマイケル・エルガンに勝利し、15年連続出場の意地を見せつけた。

 序盤から真っ向勝負を繰り広げた両者は、投げっぱなしジャーマンスープレックス、ラリアットを打ち合うなど、負けん気を爆発。真壁はスパイダージャーマンをかわされ、逆さ吊り状態で顔面を蹴り上げられると、さらにBTボムのエジキとなるが、カウント2ではね返し、デスバレーボム、キングコングニードロップとたたみかけて勝利した。

 これで両者共に3勝6敗の6点で6位タイ(最下位)で終了。「スイーツ真壁」としての顔やドラマ、バラエティで全国区の人気を誇る真壁だが、逆にその人気によって芸能の仕事で新日本のシリーズを欠場することもあり、なかなかタイトル戦線に絡めない状況だ。

 一方、エルガンは勝ち星こそ伸ばせなかったが、パワフルなファイトスタイルでファンを魅了。パートナーを務めた棚橋との絆も健在で、棚橋の上昇気流に合わせて、チャンスをつかむ機会もありそうだ。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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