小塚崇彦の“考えるドライビング” デビュー戦は苦戦も「積み重ねて次へ」

奥野大志

4カ月のトレーニングを経て挑んだデビュー戦

モーターレースデビューを果たした小塚選手、初戦の手応えは果たして? 【写真提供:埼玉トヨペットGreen Brave】

 フィギュアスケート元日本代表の小塚崇彦選手がモータースポーツの実戦にデビューした。場所は富士スピードウェイ。7月21日、22日に行われたGAZOO Racing 86/BRZ Raceの第5戦である。小塚選手は今年3月からデビューに向けたトレーニングをスタート。チームは埼玉トヨペットが運営するディーラーチーム、埼玉トヨペットGreen Braveだ。

 小塚選手は水曜日(18日)から練習走行をスタート。本番に向けた準備を進めていった。以下、時系列で小塚選手の戦いぶりを紹介していく。

「水曜日はサーキットに久しぶりに来て、思い出すように走っていました。木曜日(19日)はちょっと行き詰まり感があって、本当に大丈夫かなという気持ちがありました。でも、今朝(GAZOO Racingの)影山正彦さんの助手席に同乗させていただいて、パズルのピースが全部そろったような感じです」

 金曜日(20日)の練習走行を終えた小塚選手の第一声だ。小塚選手は金曜日午前中に行われた専有走行(本番前の最後の走行)で、2分12秒931をマーク。このタイムはそれまでのベストで、本人も「ワンランク上がったように感じている」とコメントしている。

予選では手応えを感じる場面もあった小塚選手 【写真提供:埼玉トヨペットGreen Brave】

「今までは教えてもらったことをなんとなく頭で理解しながら、なんとなく体でもできたような感じでした。でも、今回は一気にギュッと引っ張り上げられたようで、今まで教えてもらっていたことが全部つながりました。こういうことを言っていたのかと気づき、音や挙動を感じられたのは良かったです」

「コースは3つのセクターに分けて考えています。セクター1と3がうまくいかなくて、昨日(19日・木曜日)はセクター2がすごく良かった。(同乗したことにより)その要素が全部そろったのですが、クルマのトラブルもあり、残念ながらそれを全部そろえての走行ができなかった。でも、本番に強い方なので、しっかりイメージトレーニングをして、自分を信じてやるしかない。どうにか(2分)11秒台を本番で出したいと思っています」

 12分間の予選は翌土曜日(21日)に行われた。過去最多の110台が参加とエントリー台数が多いため、3つの組に分かれて、小塚選手は3人のチームメイトとともに3組に出場。1周のラップタイムで順位を争い、36台中上位15位に入れば決勝A、同16位から30位に入れば決勝B出場(どちらも日曜日に行う)という具合だ。ちなみに金曜日のベストタイムは予選落ちとのボーダーライン上にあり、楽観視できる状況ではない。「集中力だけはあると自信を持って言い切れるので、とにかくやってきた練習の成果をしっかり出す。それだけです」

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。埼玉県川越市出身。出版社勤務を経て2012年に独立。企業のモータースポーツ活動にフォーカスし、全力で戦い続けるレーシングドライバーやメカニックたちのリアルなドラマを広く伝えている。2014年から埼玉トヨペットGreen Braveのオフィシャルライターとしてチームに帯同。自動車メディアにも寄稿している。ペンネームはゴリ奥野

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