下克上の精神で市船、流経大柏を連破 習志野がインハイで「古豪復活」を期す

安藤隆人
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2強の壁を打ち破って最激戦区・千葉を制覇

市立船橋と流通経済大柏の2強を破って最激戦区・千葉を制した習志野 【安藤隆人】

 市立船橋と流通経済大柏。

 高円宮杯プレミアリーグイーストに所属し、全国優勝を何度も経験している強豪中の強豪だ。この2校は共に千葉県にある。そのため、県から1校しか出られない全国高校サッカー選手権は、どちらかが県予選で敗れることになり、2校が出場できるインターハイ(全国高校総合体育大会)では、この2チームが出場し、過去3度も決勝の舞台で顔を合わせるなど、全国トップレベルのライバル関係にある。

 昨年度の成績を見ても、インターハイは流経大柏が全国優勝、市船は全国ベスト4。選手権では予選決勝で両者が激突し、勝利した流経大柏が全国準優勝を飾った。

 それゆえに千葉の他の高校は、この「2強」のどちらかを必ず打ち破らないと、全国の舞台に立てない。他の地域から見ても、そのミッションはとてつもなく困難であることは明白だ。

 だが今年、その壁を打ち破ったチームが現れた。

 それは過去3度の全国優勝(インターハイ1回、選手権2回)を経験している古豪・習志野だ。県予選・準決勝で鹿島アントラーズ加入が内定しているセンターバック(CB)の関川郁万を擁する流経大柏と激突し、前半で2点を先行すると、後半は1点を返されるも、最後まで集中力を切らさずに守り切って2−1で勝利。4年ぶり18回目のインターハイ出場を決めた。

 決勝では、ほぼベストメンバーの市立船橋を相手に、終盤まで0−0の接戦を演じると、後半38分に先制点、後半アディショナルタイムに追加点を奪って、2−0の勝利。「最激戦区」の千葉を制した。本大会初戦は8日の2回戦で、桐光学園(神奈川)vs.一条(奈良)の勝者と対戦する。
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著者プロフィール

1978年2月9日生まれ、岐阜県出身。5年半勤めていた銀行を辞め単身上京してフリーの道へ。高校、大学、Jリーグ、日本代表、海外サッカーと幅広く取材し、これまで取材で訪問した国は35を超える。2013年5月から2014年5月まで週刊少年ジャンプで『蹴ジャン!』を1年連載。2015年12月からNumberWebで『ユース教授のサッカージャーナル』を連載中。他多数媒体に寄稿し、全国の高校、大学で年10回近くの講演活動も行っている。本の著作・共同制作は12作、代表作は『走り続ける才能たち』(実業之日本社)、『15歳』、『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、『ムサシと武蔵』、『ドーハの歓喜』(4作とも徳間書店)。東海学生サッカーリーグ2部の名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクター

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