プロ野球で奮闘する“アラフォー”戦士 充実の「オーバー40」と正念場の松坂世代

ベースボール・タイムズ

松坂だけでなく、藤川や永川も結果残す

松坂世代の最強リリーバー・藤川は6月16日の楽天戦で2年ぶりのセーブをマーク 【写真は共同】

 40歳以上の選手たちが存在感を示す中、かつて、そして長らく、球界の中心であり続けた “松坂世代”の面々も、いわゆる“アラフォー”と呼ばれる年齢に突入している。

 松坂世代でNPBでプレーするのは現在13人(外国籍選手はのぞく)。世代の代表である松坂大輔(中日)を筆頭に、投手陣では藤川球児(阪神)、久保裕也(東北楽天)、和田毅(福岡ソフトバンク)、杉内俊哉(巨人)、館山昌平(東京ヤクルト)、永川勝浩(広島)の計7人。野手陣は、小谷野栄一(オリックス)、渡辺直人(楽天)、矢野謙次(北海道日本ハム)、實松一成(日本ハム)、工藤隆人(中日)、後藤武敏(DeNA)の計6人。計94人ものプロ野球選手を輩出した“最強世代”もその数を大きく減らした。

 だがその中でも、松坂自身が前半戦で3勝(3敗、防御率2.41)を挙げ復活。加えて、藤川がここまで29試合に登板して1勝1敗8ホールド1セーブ、防御率2.03とリリーバーとして抜群の安定感を披露中。21日のDeNA戦では150キロ台を連発するなどストレートの威力も健在で、ここまで培ってきた経験と投球術で打者を封じ込めている。

 さらに昨季1軍登板なしに終わった永川も、左ひざの手術を乗り越えて6月7日の日本ハム戦で743日ぶりの1軍登板を果たすと、7月22日の巨人戦では793日ぶりの白星。ここまで中継ぎで12試合に登板して防御率0.82、計11イニングで10奪三振と力強さも取り戻している。

気になるのは村田修一の動向

 松坂に加えて、藤川、永川が復活のシーズンを過ごす一方で、松坂世代の他の投手陣は苦しんでいる。館山が4月に3試合に先発するも、3戦全敗で防御率6.43のまま2軍再調整中。久保は中継ぎで防御率3.38も登板数は9試合と少なく、和田、杉内の2人は故障を抱える中で、依然として1軍未登板が続いている。

 野手も結果はいまひとつ。最多出場は小谷野で、ここまで63試合に出場しているが、打率2割2分1厘(213打数47安打)、1本塁打、17打点。48試合出場の渡辺は、ここに来て調子を上げてはいるが、打率2割5分9厘(54打数14安打)、0本塁打、9打点と成績は平凡だ。

 その他、工藤は守備固めでチームに貢献中も、矢野は17試合出場で打率2割(15打数3安打)と勝負強さを見せられず、實松は出場1試合のみ。後藤(DeNA)は出番がない。

 また、気になるのは独立リーグ・栃木で汗を流す村田修一の存在。NPBの支配下登録期限は7月31日。世代を代表するスターだった男の復活はあるのか。

 彼ら松坂世代に象徴されるように、アラフォーの年齢に突入してもなお、一線級の働きを見せて現役を続けることができる選手はひと握りだ。肉体的な衰え、瞬発力、動体視力の低下は必ず訪れる。だが、その“変化”に順応して自らの経験をグラウンド上で具現化すれば、40歳を超えても活躍することができることも、前述した男たちによって証明されている。チーム総力戦となるシーズン後半戦の中で、その勇姿を、健在ぶりを、是非ともわれわれに見せてもらいたい。

(今季の記録、通算記録は7月22日終了時点のもの)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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