比江島慎「田臥さんの言葉で正直落ちた」 栃木ブレックス加入会見後のインタビュー
日本のためにうまくなっていきたい
比江島(右)は自身の成長のために栃木への移籍を決意したと語る 【スポーツナビ】
三河のファンは本当に温かくて、負けた時でも声をかけてくださったり、素晴らしい雰囲気を作ってくださっていました。Bリーグになってからまだ優勝経験がないので、優勝して恩返しをすると約束を常々していたのですが、それをできずに移籍してしまうことは、本当に自分自身でふがいなく思っています。
ファンのために戦うことも必要だとは思うのですが、自分が成長するために栃木に来たので、そこは理解してほしいじゃないですが、日本のためにうまくなっていきたいので、日本代表の時などにまた応援していただけたらうれしいなと思っています。申し訳ない気持ちではいっぱいです。
――三河での思い出で印象的なことは?
去年、本当につらい時期があって、コートに戻ってきたときに皆さんが立って温かい拍手で迎えてくださって、本当にうれしかったです。正直、まだ心の準備とか整理とかができていなかったのですが、ファンの皆さんのために戦おうという思いになれた試合でした。
――三河のチームメートにはどのような言葉をかわして栃木へやってきたのですか?
ありきたりなことしか言っていないですね(笑)。ごめんとかしか言っていないですが、なんだかんだ(自分が抜けても三河が)強豪であることは変わりないと思うので、敵になった以上はお互いに頑張ろうということは言っていました。
田臥さんが本当に熱心に誘ってくれた
田臥(左)からの「一緒にプレーしていて一番楽しいのはお前だ」という言葉で比江島は移籍を決意した 【(C)B.LEAGUE】
はい、しました。来てくれることでいろいろなオプションが増えると言っていただきましたし、相当な戦力になるというようなことをおっしゃっていただきました。自分はもう「ありがとうございます」ということしか言えなかったですが(笑)。プレータイムはどれくらい欲しいだとか、そういう話はさせていただきました。
――栃木には代表メンバーだけでなく仲のいい選手も多いようですね。
そうですね。(鵤)誠司も仲がいいですし、喜多川修平さんも前にチームメートでしたし、もちろん(竹内)公輔さんも仲良くさせてもらっています。緊張するような感じではないですし、気を遣うメンバーではないと思うので、そこらへんの心配はしていないです。
――プレー面でもチームになじむイメージはできていますか?
栃木はスタイルがあるので、そこに自分が合わせていくイメージでいきたいと思っています。そこにチームから要求があれば応えていこうと思っています。
自分の持ち味としては、1対1のドライブだったり、速い展開でもドリブルをついて持っていけるので、そういうところで役に立てる自信はあります。ディフェンスに関しては、もっともっとレベルアップして、みんなを見習ってやっていきたいと思っています。
――ホームアリーナはいつも多くのファンで埋まっています。ブレックスのファンの印象は?
本当に栃木全体が栃木ブレックスを応援しているというのを感じますし、2シーズン前に(チャンピオンシップの)セミファイナルでやったときの会場が揺れるような地鳴りのような声援をアウェーで経験して、あの場に立てるのは素晴らしいことですし、すごく楽しみにしています。
――他にもいくつかのチームからオファーがあったとのことですが、栃木が守備を重要視しているということは大きな意味があったのでしょうか?
オフェンスの面でも優勝した時のメンバーがごっそりと抜けて、オフェンスで軸になる選手がいないという印象があったので、自分が入ることでそこを埋められるのかなというイメージでいます。
――田臥勇太という偉大な選手がいることに関しては、移籍するにあたってどのように考えたのですか?
本当に熱心に誘ってくださって、自分も一緒にプレーしたいという思いはありました。やっぱり一緒にプレーしていて楽しい選手ですし、バスケットボール界を引っ張っていってくれているレジェンドで、一緒にプレーしていても本当にワクワクします。プレーでも見習うところもたくさんありますし、ついていくじゃないですけれど、プレーされているところを近くで見られるというのはすごく成長につながると思いますし、そういったことはすごく意識しました。
最近「一緒にプレーしていて一番楽しいのはお前だ」と言われたのですが、そこまで思ってくれているとは思ってもいなかったです。そんなこと言われたら……さすがに僕も、落ちるというか、そこが決め手です。(決断するにあたって)正直ものすごく大きかったです。