比江島慎「田臥さんの言葉で正直落ちた」 栃木ブレックス加入会見後のインタビュー
栃木ブレックスの加入会見を終えたばかりの比江島に話を聞いた 【スポーツナビ】
20日に行われた栃木ブレックスへの新加入会見を終えたばかりの比江島慎は、いつもの笑顔でインタビューに答えてくれた。
シーホース三河のファンと約束した優勝を果たせないままの移籍となり「ふがいなく思っています」と正直な気持ちを語りつつも、「日本のためにうまくなっていきたい。日本代表で応援していただけたら」と前を向く比江島。記憶にある限りでは6〜8クラブほどのオファーがあったそうだが、決め手は「栃木でやるのが一番、成長の近道」だったこと。しかし、真の決め手はやはり“あの”レジェンドの存在があったようだ。
「このままじゃだめだ」と思うようになった
最初カミカミだったのですが、逆にリラックスできました(笑)。急きょ記者会見が決まって、しっかりと場所も準備してくださって、あれだけのお客さんが集まってくれるのはやっぱりさすがプロチームだなと思います。本当に温かく受け入れてくれたファンの皆さんに感謝したいです。栃木はスタッフさんの数も多いですし、こういった記者会見でもしっかりと選手を前面に出してくれる環境で、自分もやりがいがありますね。
――移籍にあたり、知る限りで何チームくらいからオファーをもらっていたのですか?
あまり覚えていないですが6〜8チームぐらいだったと思います。交渉は兄がやってくれているので、実際に僕が会ったのはゼロですが、最終的には三河を含めて3チームぐらいで悩みました。自分が成長できる環境やプレースタイルなど全て含めて、自分の中でマッチしたという感じです。
――これまで対戦してきて、栃木の印象は?
本当にディフェンスから入るチームなので、ボールを奪うことが難しいチームでした。自分の持ち味であるドライブをしたとしてもしっかりとヘルプが入るし、やはりディフェンスのチームという印象でした。オフェンスに関してもチーム一丸で戦う素晴らしいチームだなと思っていました。
――比江島選手にとって昨シーズンはMVPを獲得したシーズンでしたが、プライベートではお母様をなくされたりといろいろな意味で大きなシーズンだったと思います。やはり自分の中では大きなターニングポイントを迎えたということで移籍という大きな決断に至ったのでしょうか?
本当にその通りです。何かひとつ環境を変えたいというのはありましたし、プライベートも大変だったので独り立ちをしたいなという思いもありました。「このままじゃだめだ」という意志もわいてきました。
三河がだめとかではなく、このままで成長できるのかなという不安もありました。自分の目標は、ワールドカップ(W杯)であったり、五輪で世界と戦えるレベルまで押し上げていくことだったので、Bリーグでやるのであれば栃木でやるのが一番、成長の近道かなと思いました。
――会見で「守備はもっと向上していく」と言っていましたが、現時点で一番の課題はどこと捉えていて、栃木でどういった部分を伸ばしていきたいと思っているのですか?
栃木は全員で攻めるので、オフ・ザ・ボールの時に動いてスペースを空けることがもっと必要かなと思っています。ボールを持ってからは本当に自信があるので、そこは継続してやっていきたいです。あとはやっぱりディフェンスの部分です。栃木はBリーグでも屈指のディフェンス力を持っていて、激しさは自分に足りないところなので、栃木に入って磨いていきたい部分です。
――海外挑戦も視野に入れているとのことですが、今後、プレーヤーとしてどのようなビジョンを描いているのか、現時点での思いを教えてください。
もうすぐ28歳なので終盤というか、全盛期の年齢に入ってきていると思います。アジアでは大分通用するようになってきて、思い描いていた通りにはきていると思います。ただ、世界となるとまだまだどうか分からないので。(W杯アジア1次予選で)オーストラリアとやりましたが、成長しているのかどうかは分からないので、まずは1シーズン1シーズン力をつけて……という感じで、そこからはまだ正直分からないですね。