函館記念「1番人気の呪い」は健在か 荒れるレースをお題に記者がトークバトル
競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会
ロシアより一足お先に函館で トリコロールブルーがはためくか?
重賞初制覇を目指す4歳馬トリコロールブルー(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】
落合「1番人気馬が11連敗中で、その間に2着も僅か2頭だけ、というデータを考えると手を出しずらいトリコロールブルーだけど、世代別で断トツの連対率を誇るのが4歳馬だし、人気でもルメール騎乗なら“1番人気受難”の呪縛を解いてくれるんじゃないかな」
清野「この2000mでは崩れ知らずの安定度に加え、洋芝の札幌で勝っていることも大きな強味ですね。今が旬という感じも受けますし、56キロのハンデも恵まれたとすら言えますよ」
三代川「函館は今週からBコースに替わりますが、先行勢をある程度見ながら運べる脚質も有利でしょう。それなりに危うい面もあった近年の1番人気馬と比べても、ほとんど死角がないのではないかと思います」
デスク「ただ、前走の鳴尾記念なんかも、勝って不思議のないメンバーだったから、3着でも少し物足りない印象を受けたんだが」
山崎「前走は開幕週の馬場でのレコード決着でしたから、トリコロールブルーにとっては時計が速過ぎたんでしょう。対して今回は、中間の降雨に加えて当日も天気がぐずつき気味の予報ですし、ピッチ走法のステイゴールド産駒なら、馬場も追い風になるはずですよ」
広田「自身も1分57秒7という時計で駆けていたんですから、連勝こそ止まったとはいえ中身の濃い内容だと言えるでしょう。その前走後は、ここを目標にして6月21日から函館で乗り込みを開始したように、仕上りは万全と言えますし、重賞初Vの期待が膨らみますね」
デスク「本紙中田も、例によってそんなところか?」
中田「トリコロールブルーは、当日輸送だと少しテンションが上がりやすいタイプなので、滞在で臨めるここは、陣営も狙いすました一戦だと思いますね」
打越「データで優勢なのに加えて、実際に世代のレベルの高さを考えても4歳馬を狙う手だと思うけど、俺が魅力を感じるのはブレスジャーニーの方だな。3ヶ月半ぶりで追い切り2本と、明らかに急仕上げだった前走の巴賞でも、最後は追い上げて格好は付けたし、叩いての上積みは大きいよ。2歳時とはいえ、重賞を連勝した時の相手を考えれば、素質は上位。そして何より、当時の鞍上に戻るのなら、狙い目だろう」
目黒「前走は、放牧先でも少し順調さを欠いていたという状況だっただけに、急仕上げだったのも仕方ないと言えましたが、レースでも終始内にモタれるような姿勢で走りながら、外を追い上げて勝ち馬とコンマ1秒差でしたからね。“一瞬は勝ったかも?と思ったね。でも内容は悪くなかったんじゃないかな。小回りや洋芝に対応できることは分かったし、前走のデキであそこまで走れるんだから、やっぱり能力は高いよ”と山田助手は振り返っていましたし、“前回とはメンバーも違うけど、それでもいいところを見せてくれるんじゃないかな”と、期待を寄せていましたね」
小桧山「函館で稽古を付けている中井騎手も“前走が6〜7分だったのに対し、今回は8〜9分。間違いなくアップしてます”と状態には太鼓判を押していたぞ。そしてポツリと“乗りたかったなぁ……”とも」
デスク「そのコビちゃんはスズカデヴィアスに◎ときたか。前走で重賞を勝ってハンデ0.5キロ増にとどまったのは、恵まれた感を受けるよな」
小桧山「7歳馬とはいえ、遅ればせながら本格化の兆しを見せているし、前走にしてもスローを見越した鞍上の好騎乗があったとはいえ、逆に言えば、2000mならどこからでも運べる馬だからな。初の函館が鍵とはなるが、陣営は“走法から洋芝はOKだし、稍重くらいまでなら心配ない。小回りコースも福島や小倉でのレースぶりから不安はない”と。GII勝ちのサクラアンプルールが出走してきたことで、ハンデも57キロで止まったんだと思うし、1キロ差なら4歳勢も怖くはないぞ」
デスク「そのサクラアンプルールは、実績では最右翼の存在だが、トップハンデ以上に休み明けが嫌われてるのか?」
板子「昨年も休み明けのここで9着と敗れて札幌記念を勝ったように、元々が叩き良化型ですから、狙いは次と見る手はありますね。ただ、陣営はハンデ58キロを覚悟していたようで、スズカ同様に恵まれた感も受けます。直前も軽めとはいえ、休み明けとしては悪くない動きを見せていますし、勝ち負けまではどうかと思いますが、見苦しい競馬にはならないでしょうね」