“平成の怪物”が挑む“平成最後”の球宴 ファン投票トップ・松坂の勇姿に期待

ベースボール・タイムズ
 プロ野球オールスターに12年ぶりに出場する松坂大輔(中日)が13日、京セラドーム大阪で行われる第1戦に先発する。ファン投票1位で選ばれた“平成の怪物”は果たして、ファンの前でどんな投球を見せてくれるのか。今年の松坂フィーバー、そして過去の成績などを振り返りながら「2度目のMVP獲得」の可能性を探りたい。

2位に15万票差を付けてのトップ選出

【ベースボール・タイムズ】

 4月30日の横浜DeNA戦で4241日ぶりの復活勝利。そして5月21日に公開されたファン投票用紙には「松坂大輔」の名前があった。

 投票開始から1週間後の第1回中間発表では、松坂は3万4808票を集めてセ・リーグ先発投手部門の2位(1位は菅野智之で4万248票)だったが、松坂が5月20日の阪神戦で2勝目を挙げ、さらに同30日のオリックス戦で6回1安打無失点9奪三振の快投を演じると、6月4日の第5回中間発表で8万7014票を集めて1位に浮上。6月8日には古巣・福岡ソフトバンクを相手に5回1失点で今季3勝目を挙げると、ファンも自信を持って松坂に投票し、6月25日の最終発表では2位・菅野に15万票以上の大差をつける39万4704票を集めてのトップ選出となった。

近年では最多の得票数

【ベースボール・タイムズ】

 松坂が集めた39万4704票は、近年でも投手最多の得票数である。大谷翔平(北海道日本ハム)が15年、16年と2年連続で30万票の大台に乗せたが、この“二刀流”よりも“平成の怪物”の方が得票数で上回ったのだ。

 インターネットでの投票が「1人1日1回」と制限された08年以降で得票数30万票を超えたのは、松坂、大谷に加えて“赤ヘルジャック”“が行われた10年の前田健太(43万5375票)のみ。ダルビッシュ有(08年:27万3217票、09年:27万699票)よりも、田中将大(13年:15万9928票)よりも、黒田博樹(15年:23万1380票)よりも、やはり松坂なのだ。

 今季前半戦の成績は、7試合で3勝3敗、防御率2.41。背中の捻挫のために6月18日に選手登録を外れ、選出時もリハビリ中であったために、「複雑な気持ちもある」と吐露した松坂だが、改めて自分自身の人気の高さ、期待の大きさを感じたことだろう。今回の1位選出に賛否があることは確かだが、それ以上に多くのファンが“平成の怪物”の復活を待ち望み、球宴舞台での勇姿に胸を躍らせているのだ。

球宴6試合で1勝3敗、防御率は8点台

【ベースボール・タイムズ】

 今回、06年以来12年ぶり7度目のオールスター出場となる松坂だが、過去の球宴舞台ではどのようなピッチングを見せてきたのだろうか。

 初出場は横浜高から西武に入団して1年目の1999年。西武ドームで行われた第1戦で全セの上原浩治と先発で投げ合い、初回に石井琢朗、鈴木尚典から、2回にはローズ、ペタジーニ、3回には二岡智宏から計5三振を奪ったが、2安打1四球を許して2失点(自責0)で負け投手となった。悪い流れは翌年以降も続き、2000年は初回に3失点、01年は松井秀喜に2ランを浴びるなど9安打6失点の大乱調で3年連続の黒星。そして02年、03年はファン投票1位に選ばれながらも故障で出場辞退となった。

 迎えた04年、第1戦に岩隈久志の後を受けて2番手で登板すると、2回を1四球のみの無安打無失点。今岡誠、ローズ、金本知憲、高橋由伸から計4三振を奪って、ようやく“会心”のピッチングを披露し、念願のMVPを受賞した。だが、その後の05年、06年は再びピリッしない内容。ストレートでの真っ向勝負を挑んだ結果であったとも言えるが、過去6度の球宴登板で1勝3敗、防御率8.31と不満の残る成績が残っている。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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