“平成の怪物”が挑む“平成最後”の球宴 ファン投票トップ・松坂の勇姿に期待
2位に15万票差を付けてのトップ選出
【ベースボール・タイムズ】
投票開始から1週間後の第1回中間発表では、松坂は3万4808票を集めてセ・リーグ先発投手部門の2位(1位は菅野智之で4万248票)だったが、松坂が5月20日の阪神戦で2勝目を挙げ、さらに同30日のオリックス戦で6回1安打無失点9奪三振の快投を演じると、6月4日の第5回中間発表で8万7014票を集めて1位に浮上。6月8日には古巣・福岡ソフトバンクを相手に5回1失点で今季3勝目を挙げると、ファンも自信を持って松坂に投票し、6月25日の最終発表では2位・菅野に15万票以上の大差をつける39万4704票を集めてのトップ選出となった。
近年では最多の得票数
【ベースボール・タイムズ】
インターネットでの投票が「1人1日1回」と制限された08年以降で得票数30万票を超えたのは、松坂、大谷に加えて“赤ヘルジャック”“が行われた10年の前田健太(43万5375票)のみ。ダルビッシュ有(08年:27万3217票、09年:27万699票)よりも、田中将大(13年:15万9928票)よりも、黒田博樹(15年:23万1380票)よりも、やはり松坂なのだ。
今季前半戦の成績は、7試合で3勝3敗、防御率2.41。背中の捻挫のために6月18日に選手登録を外れ、選出時もリハビリ中であったために、「複雑な気持ちもある」と吐露した松坂だが、改めて自分自身の人気の高さ、期待の大きさを感じたことだろう。今回の1位選出に賛否があることは確かだが、それ以上に多くのファンが“平成の怪物”の復活を待ち望み、球宴舞台での勇姿に胸を躍らせているのだ。
球宴6試合で1勝3敗、防御率は8点台
【ベースボール・タイムズ】
初出場は横浜高から西武に入団して1年目の1999年。西武ドームで行われた第1戦で全セの上原浩治と先発で投げ合い、初回に石井琢朗、鈴木尚典から、2回にはローズ、ペタジーニ、3回には二岡智宏から計5三振を奪ったが、2安打1四球を許して2失点(自責0)で負け投手となった。悪い流れは翌年以降も続き、2000年は初回に3失点、01年は松井秀喜に2ランを浴びるなど9安打6失点の大乱調で3年連続の黒星。そして02年、03年はファン投票1位に選ばれながらも故障で出場辞退となった。
迎えた04年、第1戦に岩隈久志の後を受けて2番手で登板すると、2回を1四球のみの無安打無失点。今岡誠、ローズ、金本知憲、高橋由伸から計4三振を奪って、ようやく“会心”のピッチングを披露し、念願のMVPを受賞した。だが、その後の05年、06年は再びピリッしない内容。ストレートでの真っ向勝負を挑んだ結果であったとも言えるが、過去6度の球宴登板で1勝3敗、防御率8.31と不満の残る成績が残っている。