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長州は秋山と初遭遇 試合後に引退示唆
「もう十分ですよ。靴はもう脱ごうと」
長州力(左)と秋山準が初遭遇となった
長州力(左)と秋山準が初遭遇となった【写真:SHUHEI YOKOTA】

“革命戦士”長州力がプロデュースする「POWER HALL 2018 〜Battle of another dimension〜」が10日、東京・後楽園ホールで開催され、超満員札止めとなる1526人を動員。なお、第3弾興行が12月28日に同所で行われることも発表された。


 試合開始前には、先月18日に死去した“皇帝戦士”ビッグバン・ベイダーさんに追悼の10カウントゴングが捧げられ、昨年4月に日本で最後に試合をした藤波辰爾が遺影を抱えて故人をしのんだ。


 メインイベントでは長州が関本大介&ヨシタツと組んで、秋山準&橋本大地&黒潮“イケメン”二郎組と対戦。記者会見では「久しぶりに高揚している」と語っていた長州から、試合後は来年中の引退を示唆する発言が飛び出した。

長州は試合前から「久しぶりに高揚」

専修大レスリング部の先輩後輩である長州と秋山
専修大レスリング部の先輩後輩である長州と秋山【写真:SHUHEI YOKOTA】

 この試合の最注目は、専修大レスリング部の先輩後輩である長州と秋山の初対決だった。秋山と合宿所で同部屋だった3年先輩の中西学は、やはり同大OBであった馳浩のスカウトで新日本プロレスに入門。一方、秋山は一般企業への内定が出ていたが、全日本プロレス社長であったジャイアント馬場さんからのスカウトを受け、同団体のエースであったジャンボ鶴田さんにも憧れていたことからプロレス入りを決意した。なお、この一報を聞いた長州は、馳に対し「なぜ秋山を(新日本に)スカウトしなかったんだ」と尋ねたと言われている。


 秋山のデビューから26年を経てようやく実現する初対決に、長州が「久しぶりに高揚しています。秋山が今、どういうものを背負っているのか見てみたい。今までの自分の形が、秋山と向かい合った中でなくなるんじゃないか。久しぶりに崩れるから、高揚してくるのかな」と並々ならぬ意気込みを示すと、秋山も「本当だったら、もっともっと前にやりたかった。形を崩すといったものができるのは、オレだけかもしれないから、徹底的にやろうと思う」と語っていた。


 また、ヨシタツはかつて長州が現場監督を務めていた新日本の出身であり、関本はインディ団体でありながら、長州が認める「プロのレスラー」。大地は長州と激闘を繰り広げた“破壊王”橋本真也さんの長男であり、黒潮は硬派な長州と対極にある超エンタテインメント系レスラー。異質な組み合わせが生み出すケミストリーが、長州にある決断をもたらした。

秋山が長州にランニングニーを決めフィニッシュ

試合後は「靴はもう脱ごうと思っている」と引退示唆をした長州
試合後は「靴はもう脱ごうと思っている」と引退示唆をした長州【写真:SHUHEI YOKOTA】

 田中秀和リングアナウンサーがコールを務める中、まずは黒潮が金色のジャケット&コスチュームで、恒例の「入りそうで入らない」入場パフォーマンス。入場曲「HELLO」の2番が終わっても粘り続けるが、突然テーマ曲が途切れて「パワーホール」に切り替わると、黒潮が慌ててリングインした。


 いきなり長州と秋山の顔合わせからスタート。ロックアップから秋山がロープに押し込みエルボーを打ち込むと、長州もショルダー、スリーパーで返し、ファーストコンタクトは終了。黒潮は空気を読まずに長州に絡みまくり、秋山に一喝される。セカンドコンタクトは15分過ぎ。ヨシタツからタッチを受けた長州が秋山にリキラリアット一閃。さらにサソリ固めを狙うも、これは大地が阻止。大地は父親譲りのミドルキック、ヒザ蹴りを繰り出すと、秋山も長州のライバルであった鶴田さんを彷彿(ほうふつ)とさせるジャンピングニーをさく裂。すかさず関本が秋山にラリアットをたたき込むも、黒潮が関本をミサイルキックで場外へ落とし、コーナーからのムーンサルトアタックで足止め。そのスキに秋山が長州にランニングニーを突き刺し、鮮烈な3カウントを奪い取った。


 試合後、長州は秋山に握手を求めてから退場。バックステージでコメントした長州は「もう歳を取りすぎている、オレは。もうちょっと早く接点があれば、もうちょっとできたかなというのはあります」と全盛期を過ぎての対戦となったことに悔しさをにじませると、さらに「試合に向けてトレーニングをするのがしんどい。体の古傷も辛くなってきているし、視力も悪くなってきている。このままやっていたら、自分自身に何か起きるかもって最近考えている。もう十分ですよ。来年のオファーが数試合あるけど、それが終わったら、靴はもう脱ごうと思っている。もう怖いし、体も調子良くはないし。よくここまでやれたなって、ラッキーな方だと思う。致命傷なケガをしたわけでもないし。自分でもやりたいことあるし、もういいなっていうのはある意味、決まっています」と、引退の決意を語った。


 長州はかつて新日本の98年1.4東京ドーム大会で一度は引退。しかし、“邪道”大仁田厚の執拗(しつよう)なアピールを受け、2000年7.30横浜アリーナでのノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチで現役復帰を果たすと、その後も新団体WJプロレスを旗揚げするなど、精力的にプロレスに取り組んできた。


 すでに「POWER HALL」の第3弾興行は12.28後楽園での開催が決定。前回の飯伏幸太、今回の秋山のように、夢のカードが組まれることが濃厚だが、長州の引退カウントダウンが始まったことで、さらなるプレミアム感が増すことは確実。「もういいかな」とプロレスへの決別を考え始めた長州に対し、その思いを翻させるような鮮烈なファイターが現れるか。それとも、長州に未来を託された次世代選手が、引導をわたす役割を担うのか。

ノア丸藤とドラゲー鷹木が約束を果たす

 セミファイナルでは、藤波辰爾が丸藤正道&芦野祥太郎と組んで、鷹木信悟&土肥孝司&清宮海斗組と対戦した。


 丸藤と鷹木は前回の1.14後楽園のダブルメインイベント第1試合で初タッグを組んで、田中将斗&マサ北宮組に快勝。試合後、鷹木が「あんたとは闘う方が楽しいな」と呼びかけると、丸藤も「オレたちが組んでしまったら、相手がかわいそうだ」と、対角コーナーに立っての再会を誓い合っていた。今年の全日本の春の祭典「チャンピオン・カーニバル」でも別ブロックにエントリーされていたため、対戦はお預けとなっていた。


 5分過ぎ、ついに対峙する機会を得ると、鷹木が丸藤にラリアット。丸藤もドロップキック、逆水平チョップを見舞うと、鷹木も打ち返していく。丸藤がスピンキック、トラースキックを繰り出すや、鷹木もお返しのパンピングボンバー。藤波も3人に次々とドラゴンスクリューを決めると、鷹木をドラゴンスリーパーで捕獲。さらにコブラツイストで動きを止める間に、芦野が土肥をジャーマンスープレックスで封殺した。

高木裕美
静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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