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西野監督「まだ力が足りない、ということ」
W杯ロシア大会、ベルギー戦後の会見

選手たちの非ではなく、ベンチワークによるもの

西野監督は、選手たちからブラジル大会に対するリベンジの思いを強く感じていたという
西野監督は、選手たちからブラジル大会に対するリベンジの思いを強く感じていたという【Getty Images】

──今大会は決勝トーナメントに入ってから番狂わせが多かった。2−0から逆転されることはなかなかなかったと思うが、このトーナメントをどう思うか。そして、ベルギーに逆転されたときにはどう思ったのか?(海外メディア)


 どういう気持ちだったかということに関しては……。まず、ゲームに対するコントロールがどうだったのかを、自分に問いたいですね。2−0というアドバンテージをもらいながら、ひっくり返されているわけですから。それは選手たちの非ではなく、私のベンチワークによるものだと思います。ゴールを決められた瞬間というのは、自分に対して、自分の采配に対して問うところではあります。


 このトーナメントに対して、W杯に対して、選手たちは4年前のブラジル大会でベスト16に入れなかった(思いがある)。(ブラジル大会に)参加した選手だけでなく、日本サッカー界、今回参加した選手全員が、コロンビアにグループステージの3試合目で負けてしまったと(いう悔しい思いがある)。あの瞬間の思いというものは、計り知れない。そこから4年、積み上げてきた選手たち、日本代表チームの今大会に対する思いというのは、まして初戦の相手がコロンビアという大会でしたし、リベンジへの思いというものは強く感じました。


 今日に限っては、8年前のラウンド16(対パラグアイ戦)で延長、ペナルティー(PK戦と戦って)、そして(試合を)落とした。そういう過去もありますので、「ベスト16を何としても(突破したい)」という思いがチームにありました。グループステージの戦い方、突破の仕方、そして今日の(ラウンド)16のゲームに対しては、自分としても突破した後の今日のゲームを、チーム力を万全にした中で戦いたかった。今までの、過去2回のラウンド16とは違う感覚で選手には臨ませたかった。


 そういう、チームの大会に対するプランはしっかりとできた中で戦えたというのはあります。やはりまだ力が足りない、ということを見せつけられました。また4年後、今日をもってまた(次の体制に)託したいなと思います。


──4年間の積み重ねと言われたが、監督がこのチームを引き受けるにあたり、前任のヴァイッド・ハリルホジッチ監督のやり方を全否定するのではなく、良い部分をしっかり残しながら自分の色をつけていったと見ているが、ご自身ではどう考えているのか?(宇都宮徹壱/フリーランス)


 ハリルホジッチ監督がずっと積み上げてこられたスタイル、チームにもたらしたものは大きいと思いますし、私自身も継承するところはしないといけない。選手たちにある程度、染み付いているものがあります。ただ自分の中で、それに対してオリジナリティーとはいえませんが(苦笑)、1カ月の話なので。


 まあ、何かアクセント的なもの、それを継承できるための自分なりのアプローチというものはチームに与えてきたつもりです。それは当然、ハリルホジッチ監督が伝えてきたコンタクトの強さとか、縦への速さとか、間違いなく必要とするところではありますし、選手もそういう感覚は持っています。それに対しての自分なりの変化。それを選手が理解して、ここ1カ月取り組んでくれた成果かなと思います。

良いサッカーは表現できたが、成功とは言えない

──今日負けてしまったということは、日本サッカー界の悲劇と思うか?(ロシアのメディア)


 なかなか認めたくはないゲームではあったので、そういう感覚は強くあります。やはり敗戦はしっかり認めないといけない事実はあるので、強い失望があります。


──何人かの選手が、ベスト8に入るのが目標だと言っていた。残念ながらそれは達成できなかったが、非常にエキサイティングで期待を上回るパフォーマンスだった。これを成功と言えるか? 言えるとしたら、その理由は?(海外メディア)


 おそらく選手も、すべての力を出し切ったゲームだったと思っているでしょうし、良いサッカーは表現できたと思います。やはり目標としていたこの試合を突破できなかった結果に対しては、成功とはもちろん言えることではない。このW杯の戦いを次につなげていけるかどうかというところが(日本)サッカー界にとってのこの大会の意義になるわけなので、4年後に今大会のチャレンジが成功と言えるようなサッカー界にしてほしいと思います。


──攻撃に関しては手応えはあったと思うが、最後の最後で勝ち切れなかった。日本サッカー界全体として、勝ち切るノウハウや守り切るノウハウ、あるいは高さ対策といったものは次のステップアップへの鍵になると思うか?


 その通りだと思います。攻撃に関しても、もっともっとステップアップできる部分はたくさんあります。この1カ月の間でも選手たちはポジショニングとか、ボールのスピードの変化とか、コンビネーションとかが(良くなった)。さらに少しずつ高まっていけば、決定的に上がるとは言わないですが、さらにチャンスは増えると思いますし、攻撃のオプションや精度も高まっていくと思います。


 ディフェンスの部分も1対1、2対2の中で対応するのでなくて、今日もベルギーの両サイドをどう消して、なおかつ攻撃で出ていくか、というところが大きなポイントでした。両サイドで長友(佑都)と酒井(宏樹)が1対1で対応するのでなく、グループで対応することを増やした。ディフェンス力で個の力を消していくことができましたが、最後はそれこそ数センチ、0コンマ何秒の違いでやられてしまう。繰り返してはいることなのですが、やはりさらにグループで、人にいくのか、ボールにディフェンスをするのか。そういうところで対抗する必要があると思います。


──今日もCKから2点取られた。このチームを引き受ける以前からセットプレーの失点は課題だったが、今大会での対策はどうだったのか? それから今後、日本サッカー界としてどうしていくべきか?(後藤健生/フリーランス)


 ポーランド戦ではFKから取られて、しかもヘディングではなく足で決められた。これは相当なマーキングのミスなのか無抵抗なのか、という失点でした。これは今シリーズずっと続いていることなので、もう分析はやめようと。映像で常に繰り返し、ポジショニングだ、初動を押さえろ、オフサイドトラップで勝負する、といろいろ対応策を考えているのですが、やはりフィジカルだけ(の問題)ではない。メンタリティーとか駆け引きとか(が必要)。


 物理的に(身長が)10センチ違う選手たちと、こういうレベルで対抗しないといけないので、あらゆる策で対応してはいるのですが、最終的には圧力をかけられて、ディフェンス全体のポジションが川島(永嗣)の前の5メートル、10メートルというところに引いた中では勝てないということです。


 それは分かっているけれど、そういう状況にさせられる世界。そこで勝負させられるのがW杯ということがある。これはA代表だけでなく、下のカテゴリーも世界にいけばそういう形でやられている。われわれの中でしっかり対抗できていても、相手の心拍数がまったく高まっていないところでやられることほど悔しいものはない。何とかさらに対応策を考えないといけないのでしょう。対応を考えたいと思います。


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