“理詰めの射撃”で標的を狙う島田敦 地元・埼玉でベストパフォーマンスを

善理俊哉

埼玉県で行われる東京五輪の射撃種目

今年6月には清水彰人(左から2番目)、遠藤雅也(右から2番目)とともに「JOCスポーツ賞 新人賞」を獲得した島田(右) 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

 射撃の大会は競技の特性から郊外や山奥で行われることが多い。また、射撃文化の進んだヨーロッパでは、国によっては家族で娯楽のように競技を楽しむ文化があり、たとえばイタリアでは地区を移動するたびに街中で射撃場を見かけ、愛好家としてほほえましく思ったという。その一方では、同じ競技で頂点を狙う者として、発展した文化に危機意識も覚えた。

「射撃は老若男女が体力の差に関係なく、頂点を競える競技と言われています。30代、40代になっても成績は高められるので、東京五輪以降や競技者を辞めた後も何らかの形で携われていけたら幸せです」

 2020年、東京五輪では東京都練馬区、埼玉県朝霞市、新座市、和光市にまたがる陸上自衛隊朝霞訓練場が競技場となる。

「埼玉は僕の地元でもあるので、両親にとっても応援に来やすい場所。ぜひここでベストパフォーマンスをしたいですね」

 終始、はにかむように話していた島田だが、そのときは確かに、こちらをしっかり見据えて語った。

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著者プロフィール

1981年埼玉県生まれ。中央大学在学中からライター活動始め、 ボクシングを中心に格闘技全般、五輪スポーツのほかに、海外渡航を生かした外国文化などを主に執筆。井上尚弥と父・真吾氏の自伝『真っすぐに生きる。』(扶桑社)を企画・構成。過去の連載には『GONG格闘技』(イースト・プレス社)での『村田諒太、黄金の問題児』などがある

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