フィエールマンの潜在能力は「GI級」か 夏到来ラジオNIKKEI賞の記者座談会

競馬専門紙「優馬」
 今週からは東西ともに開催場所替わりとなり、いよいよ夏競馬も本番を迎える。福島では今後の飛躍を誓う3歳馬の戦い、ラジオNIKKEI賞。一筋縄ではいかない波乱含みのハンデ戦を、優馬TM陣がどうジャッジするのか。

本紙武井も自信の◎ フィエールマンが無傷で重賞制覇へ

2戦2勝のディープ産駒フィエールマンが人気の中心(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「今年は例年に比べて小粒な感も受けるメンバーだが、2戦2勝のフィエールマンが断然の支持を受けているな」

小野智フィエールマンのデビュー戦は、スローと見るやいなや外を回って早目に仕掛けてのV。コース替わりの前走も、外目を回って楽勝と、鞍上の指示通りに動く操縦性の高さが売りです。石橋脩騎手も更なる成長の手応えも感じているようで、ここは人気でも逆らえませんよね」

久光「前走の山藤賞は相手関係に恵まれた感も受けますが、大外をひとまくりの内容自体は十分に評価できますし、あの競馬ができるのなら福島1800mへの対応も訳ないでしょう。実績のあるトップハンデ馬2頭が、ともに先行タイプなら、展開利も少なからずありそうですしね」

伊利フィエールマンの前走は、ラスト4ハロンが11秒9−11秒7−11秒6−11秒4と、ゴールへ向けて加速していく優秀なラップで、勝ち時計もスプリングSと同じですから、僕は時計面でも相当な価値があると思っています。そのスプリングSで2着だったエポカドーロが春の二冠で1・2着なら、こちらの潜在能力もGI級と言えるのではないでしょうか」

デスク「とはいえ、キャリア不足や、そもそも過去2戦とも出遅れているあたりに、死角もあるんじゃないのか?」

武井「初戦は、出遅れからスローな流れを早目に進出しましたが、好位に収まるとしっかり折り合ったあたり、昨年のダービーのレイデオロを彷彿とさせるレースぶりだったように思います。前走にしても、まともに追ったのは直線を向いて残り1ハロンくらいで、それで一気に後続との差を広げたわけですから、まさしく底の知れない勝ちっぷりです。キャリアを考えれば、更なるパフォーマンスの向上も期待できますし、ここも無傷で通過して、秋には大舞台での活躍が見込めますね」

大江原「その気になれば春のクラシックにも出走できていたとは思うが、陣営によると“まだ繊細な面がある馬で、肉体・精神面ともに変に追い込むことをせず、体調に合わせてゆとりのあるローテーションを守ってきた”とのことで、それが好結果につながっているんだろうな。小回り福島の開幕週はけっして歓迎とは言えない条件だけど、機動力で他馬よりも一歩リードしている上に54キロの恵まれたハンデなら、アッサリのシーンが濃厚だよ」

守屋「僕は、デビュー前に別件の取材でたまたま手塚師にフィエールマンのことを聞いたんですが、“バネが凄いし、かなり走るよ。ただ、この血統は弱さがあるから、気をつけるのはそれだけ”と言ってたんですよ。1歳上の姉ルヴォワールは、デビューから2連勝してオークストライアルの直前に脚元の不安で出走を取り止めた経緯がありましたが、この馬も慎重に様子を見ながらの年明けデビューで、師が自信を持っていたのも納得できる勝ちっぷり。昨年、同じ2戦2勝でここも勝った同厩舎のセダブリランテスと似たイメージもありますし、調教の動きからも不安はないと見ていいでしょう」

佐藤直「ただ、これが府中の1800mだったら素直に◎フィエールマンでいいと思うけど、福島でしかも開幕週でとなれば、そうそう楽にコトは運ばないもんだよ。俺はそんな舞台設定で先の利を生かせそうなメイショウテッコンを狙ってみたいな。前走の白百合Sは、テンの3ハロンが34秒6とかなり速かったにもかかわらず、上がり3ハロンも余力十分に34秒6でまとめたもので、この距離がベストと思えるラップバランスだよ」

坂倉「出負けした3走前は参考外として、メイショウテッコンはブリンカーを着用してハナへ行くようになってからの内容がいいですよね。5着に敗れた2走前の京都新聞杯にしても、自ら厳しい流れを作ってコンマ4秒差に踏みとどまっているんですから、かなり強い競馬をしています。適距離のここなら重賞に手が届くと見ていいでしょう」

細川「2400mで逃げ切った4走前も、2着馬は後に青葉賞で2着したエタリオウですし、陣営も“スンナリ先手を取れれば重賞でもチャンスはある”と色気を持ってましたよ」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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