高校生ゴルファーが感じた世界との差 次に目指すはプロ選手たちとの戦い

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提供:トヨタジュニアゴルフワールドカップ

世界に1つしかない大会

「トヨタジュニアゴルフワールドカップ」を戦った日本代表の選手たち。ラウンド後はお互いの健闘を称えあった 【画像提供:トヨタジュニアゴルフワールドカップ】

 4日間を通じて得られたものは「世界との差」。それでも選手たちにとっては次のステージへ向かうための糧になった。

 6月12日〜15日まで「2018トヨタジュニアゴルフワールドカップ Supported by JAL」が愛知・中京ゴルフ倶楽部石野コースで開催。同大会は、男子15チーム、女子9チームによる国別チーム対抗戦で、今年で26回目を数える。2002年からトヨタが特別協賛を行い、「未来への夢のあるチャレンジ」の場として、毎年高校世代のトップ選手が全世界から集結し、互いの力を競い合う大会となっている。

 ホスト国となる日本は、今までに男子チームが1994年と96年、2010年と15年に優勝を飾っている。昨年は米国に2連覇を許して2位に終わり、後一歩のところまで迫ったが、今大会は4位となった。一方、4年前から始まった女子は初年度の15年以来となる2度目の優勝を果たした。昨年、一昨年はどちらも米国に敗れ、2年連続で2位となったが、この世代での日本のレベルの高さを示した。

 同大会は普段の個人戦とは違い、チーム戦という特殊なルール。日本代表を率いた橋田源太郎監督は「このような大会は世界で1つしかありません。ジュニアの選手なので、(日本チームが)強い年もあれば、そうでない年もありますが、大会のレベルは世界基準なので、非常に素晴らしい大会だと思います」と大会開催の意義を語っている。

それぞれが感じた世界との差

チーム最年少15歳の久常涼は3日目に2位タイまでつけたが、最終日にスコアを伸ばせず 【画像提供:トヨタジュニアゴルフワールドカップ】

 今回の男子日本代表は4人全員が初出場。橋田監督が話すには、技術はもちろんのこと、チームワークが重要視される同大会において、4人がそろって練習し、チームワークを生み出す時間はほとんどなかったという。その結果、日本男子は4位となり、昨年より順位を落とす結果となった。

 チームの結果と同様、選手それぞれが同年代の海外選手との差も感じていた。

 男子代表のエース格であり、昨年の日本アマチュア2位タイの中島啓太(代々木高3年)は、初日こそ67(パー71)で周り4アンダー4位タイに付けたが、残り3日間は60台を出すことができず。4日間トータル1アンダー14位タイに終わった。ラウンド後は「昨日(第3ラウンドで)、消極的なプレーをしてしまいましたが、今日も積極的と言えるプレーができなかったので悔しいです」と反省。プレー自体は「通用する部分もたくさん知れたし、課題も多く知れて良い経験になりました」と振り返り、個人1位となったラスムス・ホイキアンド(デンマーク)の16アンダーというスコアを見て、「10アンダーを超える試合は攻めるゴルフが必要。攻めすぎはいけないけど、守りすぎても(上位に)上がれないので、積極的に攻められるようにしたい」と課題を口にした。

 また中島と同学年の鈴木晃祐(西武台千葉高3年)は、最初の3日間でアンダーパーを出すことができなかったが、最終日に68を出して21位タイでフィニッシュ。初めての国際大会で感じたことは、海外選手との飛距離の差。「全然自分の球が飛んでいないのではないかと思いました。実際に70、80ヤード置いていかれたこともあったので、やはり今後、世界レベルを意識するなら飛距離は大事かと思います」と明確な世界との差を感じていた。

 チーム最年少となる15歳の久常涼(作陽高1年)は、3日目に66をマークし、この時点でトータル8アンダー2位タイにつけた。しかし最終日に73とスコアを落とし、日本チームの中ではトップとなるが、単独8位に終わっている。「最終日の後半9ホールでオーバーパー(1バーディ、3ボギー)だったのが反省点」と最後の最後でスコアをまとめられずに悔いを残した。トップのR・ホイキアンドと2位のニコライ・ホイキアンド(デンマーク、ラスムスとは双子の兄弟)は、最終日の前半9ホールでともに5バーディを奪って、後続の選手に差をつけた。後半はR・ホイキアンドが2バーディ、N・ホイアキンドが1バーディ、2ボギーでまとめており、精神的な余裕を持ってプレーしていた。久常も「気持ちに余裕を持ってゴルフができればリズム良く周れる。(上位につけていたことで)自分に期待しすぎて、プレッシャーをかけていたと思います」と話しており、4日間の競技の戦い方を「もっと学びたい」と今後を見据えた。

 大会2日目に人生初のホールインワンを達成した小寺大佑(大阪学院大高2年)は、2日目に67を記録し12位タイに位置した。しかしほかの3ラウンドでスコアを伸ばすことができずトータル5オーバー30位タイ。小寺も海外選手と差は飛距離だと話したが、加えて「海外の選手はパッティングがロボットみたいだった」という印象を受けた。いつでも同じストロークで打てるパッティングを「研究していきたい」と、海外選手の良いところを吸収するつもりだ。

 日本チームの選手はそれぞれ1日はビッグスコアをマークしたが、4日間を通してスコアを伸ばすことはできなかった。優勝したデンマークチームのメンバーは、最終日の前半でスコアを伸ばして後続にプレッシャーを与えるという作戦をきっちりと遂行した。こういった点を見ても、チームとしての戦略理解や、その遂行能力の高さが、日本と上位チームとの差でもあっただろう。

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