W杯を彩る東京五輪世代のスターたち 主軸から未来の“名手候補”まで一挙紹介
スター選手たちも若かりし日にW杯デビュー
フランス代表の10番を託された19歳のキリアン・エムバペ 【Getty Images】
というわけで、今回は大会を彩っている21歳以下の選手たちにフォーカスしてみたい。サッカー界の明日を担うヤングガンズは、2020年の東京五輪に出場可能な年代の選手たちでもある。
この年代の選手で、大会前から最も大きな注目を集めていたのはフランス代表の伝統ある「10番」を託された19歳のキリアン・エムバペだろう。個人能力を前面に押し出すちょっと強引な戦いぶりを見せるフランスにあって、孤立気味にプレーすることも多いが、ペルー戦ではフランスのW杯を含めた主要国際大会における最年少得点記録を塗り替えるゴールも記録した。
また同じフランスではバルセロナのウスマン・デンベレも21歳の東京五輪世代。こちらも交代出場含めて3試合すべてに出場しているが、得点に直接絡むプレーはなし。一定のインパクトは残したものの、大会前の期待値を思えばまだまだ物足りないか。この2人の存在はそのままフランスのポテンシャルでもあり、決勝トーナメントでのプレーぶりは、あらためて注目されるところだろう。
もう1人、特に注目株だったのはブラジル代表のガブリエウ・ジェズスだ。マンチェスター・シティでのプレーを通じて世界中にその名を売っている若武者は3試合すべてに先発出場している。王国の未来を担うFWとして期待を受けたが、ゴールを奪い取ることはできず、1アシストにとどまった。初めてW杯に臨む21歳として見るなら決して悪いプレーではなかったとも言えるが、王国の9番を背負う選手としては満足してもらえるプレーではあるまい。
活躍が目を引いたベンタンクール
ウルグアイのベンタンクール(左)は、21歳とは思えぬ安定したプレーを見せた 【Getty Images】
決勝トーナメントでの爆発を期待したい選手としてはイングランド代表の20歳、マーカス・ラッシュフォードの名前も挙げておきたい。マンチェスター・ユナイテッドではプレミアリーグでも欧州チャンピオンズリーグでも結果を残している選手であり、W杯欧州予選でもゴールを決めている未来の“名手候補”。今大会はベルギーとの第3戦に先発するなど、2試合に出場している。能力に疑問の余地はなく、ノックアウトステージでも切り札的な起用がありそうだ。
イングランドにはリバプールの19歳DFトレント・アレクサンダー=アーノルドもいる。昨年のU−20W杯優勝国ということで選外になった選手にも人傑ぞろいで、東京五輪世代において最も注目されるべき国の一つだ。もっとも、イングランドを含む英国4協会の個別参加が認められていない東京五輪については、そもそも出場しそうにないのだが……。
またメキシコのエドソン・アルバレス、ベルギーのユーリ・ティーレマンス、スイスのブレール・エンボロといった選手たちも、不動の主軸というわけではないが、出番を得た試合でクオリティーの高いプレーを披露。ティーレマンスは2つのアシストも記録している。