長谷部「真実は結果の中にしかない」 W杯ポーランド戦後、選手コメント

スポーツナビ

槙野智章(浦和レッズ)

今大会初先発の槙野は「忘れられない一戦になった」とコメント 【Getty Images】

「忘れられない一戦になった」

(最後は難しい判断だった?)ベンチから指示があったし、長谷部さんが途中から入ってきたことでしっかりと伝達してもらえていたので、自分たちがやらなくちゃいけないことは共通意識を持ってできたと思います。最低限の結果を出すことができたのは良かったです。(イエローカードをもらわないこと?)その指示もありましたし、伝達はうまく伝わっていた。しっかりとそれに対応したプレーはできたと思います。

(初めてW杯のピッチに立ったが緊張は?)あまり緊張しないタイプですけれど、いろいろ自分の中で積み上げてきたものもありましたから。結果は残念なことになりましたけれど、チームとして次のステージに進むことができて良かったと思います。個人的にもいろいろチャレンジすることがありましたので、忘れられない一戦になったと思っています。

(レバンドフスキとやった感想は?)彼のプレー集を見て、チーム関係者だったり、ブンデスでやっている選手たちと話をして、どういうプレースタイルかを頭にたたき込んで今日の試合に入りました。セットプレーのマークも彼でしたし、基本的に吉田選手と僕の間に彼がいるときは、はっきりと僕がついていくという約束事もありました。彼を自由にさせないことが僕の大きな仕事でしたので、それなりの手応えはあったかと思っています。

(先発は前から決まっていた?)2戦目が終わってから言われていたので、それなりの時間はありました。コンディション調整はうまくできていたものの、メンタルのところで試合まで時間がありましたので、そこを作っていくことが大事だと思っていました。

(30歳を超えて、W杯のピッチに立った。率直な気持ちは?)たしかにW杯は特別な大会であり、誰もが目指す場所であり、夢の場所だと思います。日本代表として出たという意味で、次のステージに進めたことは誇らしく思うし、これだけで終わりたくないのはあります。ワールドユース(U−20W杯)もそうですし、五輪だったりを経験すると、次の目標だったり、次にやらなければいけないことが生まれてくる。行くだけではなくて、ピッチに立ってプレーするのはすごく大きな意味があると思っています。

山口蛍(セレッソ大阪)

「失点より警告のリスクを考えました」と語った山口 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

「次は休んだ選手がしっかりやってくれる」

(最後はイエローカードのリスクも考えた?)そうですね。失点より警告のリスクを考えました。(他会場の情報は)逐一は入っていないですけれど、最後に「イエローカードはもらうな」とハセさん(長谷部)に言われました。ある程度はみんな分かってやっていたと思います。

(ゲームプランは?)引き分けを狙っていたわけではなく、点を取りにいこうとしていました。先発が6人代わって、多少相手にボールを持たれる時間というのがあったと思うし、その中で前半はしっかりゼロで耐えようという思いがありました。後半は相手も落ちてくると思っていたのですが、セットプレーで失点してしまった。そこからどうするかというところで、あんな展開になってしまいました。(事前のミーティングからフェアプレーポイントも意識していた?)もともと勝ち点と得失点で並んだ場合はそうなると把握していました。

(ボランチとしてはサイド攻撃が多くて立ち位置が難しかったと思うが)セカンドボールを拾う意識がありましたし、偶発的ですが相手の裏にボールがすっと落ちて、ショートカウンターみたいにいけるシーンが前半からあったので、後半はそういうところもしっかり狙っていこうと話していました。

(次の試合で意識したいことは?)あまり意識することはないですけれど、ベースになってくるのは2試合(コロンビア、セネガル戦)やったメンバーというのはあると思います。自分たちはここで休んだ選手にしっかりつなげるということで、結果は負けて他力本願みたいな形になってしまいましたけれど、休んだ選手がしっかりやってくれると思います。(西野監督の決断に信頼を感じる?)信頼というか、代えるのは決断のいることだと思いますし、選手を信じていなければなかなかできないことだと思います。

(柴崎との関係は柴崎が前?)基本的にはそうなることが多いと思います。そこから機を見て攻めることもあると思いますけれど、今日はなるべく自陣のセンターバック前に残るよう心掛けていました。

大迫勇也(ブレーメン/ドイツ)

先発を入れ替えたことについて、大迫は「全選手を信頼している」という西野監督のメッセージと捉えている 【Getty Images】

「負けたのは素直に残念」

(交代は岡崎のアクシデントで早まった?)そうですね。後半10分、15分くらいからと言われていましたけれど、急でしたね(後半2分に出場)。(途中出場はイメージしていた?)もう少しアップしてからというイメージでした。今日はちょっといろいろ状況も状況だったので、勝ち上がるために(出る)という感じでいました。ただ、負けたのは素直に残念でした。

(勝ち上がるためにサッカーを切り替えたことについて)まずはグループリーグを突破するために試合をしているわけなので、そこはもう全然普通のことじゃないですか。(長谷部が入ってきて)イエローカードだけはもらわないようにと言われて、逆に難しかったです。イエローカードをもらわずにプレーするのは。(しかも1点取られたら終わりだったが)そこは相手が引いてくれたので、助かりました。

(先発から外れたが切り替えた?)いつ出るかは正直、分からなかったですけれど、西野さんからのメッセージだと思うし、全選手のことを信頼して使っているのかなと思いました。

(グループリーグ1勝1分け1敗という成績について)グループリーグを勝つためではなく、そこを通過して次の試合(で勝つ)というのは今まで成し得てこれなかったところなので。今日は前線の選手が4〜5人ベンチにいたので、次はすごくアグレッシブに戦えると思います。(4年前に成し遂げられなかった壁を超えた?)うーん、次じゃないですか。次、ベルギーかイングランド、どちらも強い相手で、力が試されると思います。

本田圭佑(パチューカ/メキシコ)

「結果だけを追い求めている」という本田(右)。終盤の消極的なプレーにも理解を求めた 【Getty Images】

「西野さんの素晴らしい采配だった」

(試合についていろいろ複雑な感情があると思うが)出ている選手はね、たぶんちょっとストレスが溜まった内容、結果だったと思います。けれど、結果が大事で、僕らにとっては予選通過が目的だったので。出た選手には少し酷な部分はあるけれど、僕は想定内でしたし、非常にポジティブ……ポジティブな結果だったと思います。試合だけではなくて、この予選を通じて。そう思っています。

(今日のメンバー交代について)それは分からないです。とにかく次からは全部が決勝で、未知の領域に突入しようとしているわけで、相手もイングランドかベルギーか分からないと。これまで対戦してきているのはベルギーなので、一見ベルギーの方が強そうに見えるかもしれないけれど、もしかしたらリベンジの精神を持ち合わせる意味ではベルギーの方が全体的にいいのかもしれない。一方でお互い何も分からないイングランドの方がいいかもしれない。それはここから準備するわけですから。

 もちろん理想はね、1位でいけたら中4日(で次の試合)になっていた。そうなっていたらすごくポジティブな発言をしたでしょうけれど、こうなった以上は勝って1位通過から負けて2位通過まで想定してたし、合格の範囲内だったという意味ではすごくポジティブに捉えてます。

(自分が出ない中、このままW杯が終わってしまう可能性もあったが)可能性はありましたね。だからホッとしましたよ。西野さんがすごくリスクを取りにいって、個人的には結果的に素晴らしい采配だったと思っています。僕が監督でもこの采配はできなかったというふうに客観的に見ていた自分もいたので。本当に結果が出た、結果が全てだと思いますし、それは本当にすごいなと。今日に限っては思いましたね。

(一方で同点に持ち込める可能性もあったが、見ている選手たちはどんな思いを持っていた?)あの状態でベンチにいる選手がどう思っているかは大して重要ではなく、ピッチに立ってる選手がどう思っていたかが大事。あそこでマコ(長谷部)が入って、監督からなにかしらかのメッセージを受けて、マコがボールを持った時点からだいたいもう西野さんのメッセージは読めましたよね。だからこそ3枚目(の交代)であのカードだったと思うし。もちろん、リスクはありましたよ。セネガルが(コロンビア相手に)決めていたらダメだったわけです。あそこでベンチ側からとにかく攻めろ攻めろって叫んでもおかしな話なので。あそこはあれが全てのメッセージ、たぶん出ていた選手がマコのプレーを見て、感じたと思います。

 だからまあ、サッカーってエンターテインメントでしょう。そういう意味では結果主義じゃダメなんですよ。僕はずっとそう思っているんです。でも結果を出さないと、誰も俺の発言を聞いてくれないから、俺は結果だけを追い求めてきているんです。本当はいいサッカーをしてナンボなんですよ。ただただブーイングを送っていた、面白いサッカーを見たかったファンには申しわけなかったと思う。でも次に進まないと、次にいいサッカーをしてファンを喜ばせることもできないという意味では、理解してほしいと思います。

香川真司(ドルトムント/ドイツ)

今大会3試合目で初めて先発を外れ、出場機会がなかった香川 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

「ここからはすべてが起こり得る」

 他会場の結果が入っていて、このままいけば勝ち上がれることが分かったので、それをやるしかなかったそこはみんな統一できていたんじゃないですかね。(リスクもあったと思うが)そうですね。あまりこういう状況は慣れていないので、戸惑うところはありました。でも、逆にイエローカードをもらったり、攻めてカウンターを食らうのは避けたかったので。ベンチからの指示はそれでもやるという方向だったので、あとは選手がピッチのなかで、それを伝え聞いたと思います。

(グループリーグを振り返ると勝ち、引き分け、負けときているが)結果がどうであれ、上に上がれた。今日はリスクの高いものではありましたが、勝ち上がれたことが何より。あらためて考えなければいけないのはここから。ここからが本当に新たな戦いというか。僕はそう捉えているし、気を引き締めて次に臨みたいと思います。

(今日は休養?)そう捉えています。良い休養になったと。次は中3日でまた試合があるので、全力を尽くして良い準備をしたいと思います。(消化試合でもないのに6人も入れ替わるとどういう雰囲気になる?)監督がミーティングでそれ(このメンバー)でいくと言っていたので、僕たちはそれを信じるしかない。余計なことを考えずに、このメンバーでやろうじゃないかとポジティブなものはチーム練習の中から見いだせたと思うし、本当にこのグループを、監督を信じてやることを徹底したと思います。

(代えると伝わったのはいつくらい?)2日前くらいです。2、3人の交代はよくあると思うんですが、6人の交代はなかなか経験したことがなかったし、経験したとしてもうまくいく保証はない。すごく戸惑いがあったけれど、すぐに切り替えたし、みんなもすぐに切り替えていたと思います。

(今日は16強の壁を破るための試合だった?)僕は逆に予選を突破する方が決勝トーナメントで勝つ以上に難しいんじゃないかなと。ここからはすべてが起こり得る。一発勝負なので。力の差はそこまで感じないと思います。ベスト4、ファイナルは分からないですけれど、僕のチャンピオンズリーグの経験上ね。ベスト16、8は何が起こるか分からない。本当に切り替えて、楽しみですね。

(ドルトムントの選手と話した?)話しました。ピシュ(ウカシュ・ピシュチェク)とクバ(ヤクブ・ブワシュチコフスキ)とレビ(ロベルト・レバンドフスキ)と。彼らは最後だからね。

原口元気(デュッセルドルフ/ドイツ)

出場機会がなかった原口は、西野監督を「勝負師」と評している 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

「『西野さん持ってるな』と思います」

(試合終盤の判断については?)この次を勝つというのが元々の僕らの目標だったし、結果は負けましたが、言い方が難しいけれど、ここで終わるよりいい。

(次は今回休んだ選手がまたスタメンになる?)そこまで言われていないですが、もちろん今日出る選手が今日出るのがベストだと思って西野さんは出しているだろうし、それは僕らも理解している。結果的に僕らが休めた部分はあると思います。

(西野さんの判断?)他の結果次第というのがあった中で、このまま(試合を)終えるのか、1点を取りにいくのかはすごく難しい判断だったと思います。そこを随時、スイッチを入れるのか入れないかは長谷部さんと話し合っていたみたいなので。

(ベンチから情報は?)もちろん伝えていたし、イエローカードをもらうなっていう情報はみんな入っていました。どちらかというとそのまま終わらせて、コロンビアが勝ってくれるのを待つという。

(自分が出る準備は?)最初のワンプレーで(酒井)高徳が打撲して、それでどうかなと前半から準備はしていました。得点が必要な状況ということで攻撃の選手が最初はアップをしていましたが、先制されて、でもコロンビアも先制したことで、僕じゃなくて長谷部さんが行くようになった。そこからは僕じゃないと思いました。

(他力本願の状況でああいうプレーはかなりリスキー?)特に代わった(宇佐美)貴史やよっち(武藤嘉紀)は、けっこういきたい気持ちがあったと言っていました。でも、最後は徹していましたし、チームがどうするかというのをみんなが最後までやったと思います。

(出られない試合で大会が終わってしまう可能性もあったが)このまま終わるのかなあ、終わったらどうしよう、というのはありました。でも、今日スタメンじゃなかったときから、彼らがやってくれると思っていたし、途中から出たら助けようと思っていたし、「西野さん持ってるな」と思いますね。ホント勝負師ですね(笑)

2/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント