ソフトB石川柊太「ライバルは昨日の自分」 チーム勝ち頭が重視する全力投球
今季初先発となった4月12日の日本ハム戦、7回無失点の好投で白星を手にした石川(右)。柳田とともにお立ち台で笑顔を見せた 【写真:BBM】
春季キャンプ、オープン戦と先発として調整しながら、開幕は中継ぎスタート。その後、千賀滉大の離脱により、4月12日の北海道日本ハム戦で今季初先発して2勝目を挙げ、以降先発ローテの一角を担う。先発であろうが中継ぎであろうが、腹をくくって言われたところで投げる。一人ひとり全力で。
「結構もがいてシーズンに入った」
キャンプ中、オープン戦は全体的に良くなくて、結構もがいて。その中でシーズンに入ったときにようやく形ができ、スタートラインに立てた。そういった意味でも2018年シーズンの初登板となった4月1日のオリックス戦は良かったと思いますね。しっかりと腕を振って投げられました。
この日は中継ぎで勝利もついてきました。先発、中継ぎと気持ちが揺れ動くときも確かにありましたが、そこはもう腹をくくって言われたところで投げるしかないと。言われたところが自分のやるべき場所、戦う場所だと思っています。もともと先発、中継ぎにこだわりはありません。
自分はそこにこだわったら可能性をせばめてしまう気がするんです。先発にこだわる選手もいますが、自分にはそういう強い気持ちはなくて。結局1イニング、1人のバッターをどうやって抑えるかというのが一番大事なところ。それは先発であろうが中継ぎであろうが変わらないと思っています。そこが変わらないということは、やることも変わらない。だからこだわる必要はないのかなって。
先発の場合は長いイニングを投げる体力が求められますが、気持ちの面では変わらないかなと。長いイニングを投げようと序盤にセーブしてしまってかえって抑えきれないことのほうがイヤなので。だからいつも先発でも、中継ぎのつもりで「一人ひとり」と言っています。ある意味“こだわりがないというこだわり”ですかね。むしろ先発と中継ぎを臨機応変にやらせてもらっていることに意気に感じて、ある意味「自分だからできるんだ」ってプラスにとらえています。
また、昨季と同じく、常に全力投球を心がけています。力をセーブしそうになるときもあるんですよ。ただ、下位打線を相手にちょっとアクセルをゆるめてとかやると、そういうときに限ってフォアボールとか出すので。そこは実力がまだまだってこともあるんだと思うんですけど、やはりそこでアクセルを踏み直します。下位でランナーを出すと上位につながってしまう。そういうことを考えたときに気を抜かずに投げ続ける感じですね。結構全力でずっと投げ続けています。
今年の1月も『コウノエスポーツアカデミー』代表の鴻江(寿治)先生が主催するトレーニング合宿に参加しました。昨季あれだけ(34試合登板)投げたのがプロに入ってから始めてで、やはり身体的にきつい時期があったので、その疲労も残る中でどうこの1月のオフを過ごすかというのを意識して取り組みましたね。
例えば腰がきつかったから腰に負担のないように投げてみようとか、新しいことにもチャレンジしてみました。フォームの修正は結果的には遠回りになりましたが、いろいろ試したうえで昨年と同じ方向性でいこうということになりました。試しもせずに「これはダメだ」というのは、自分的には腑に落ちない。自分の中の姿勢だと思っているので、とりあえずは試してみるようにしています。試さないと変わらないですし、もしダメだったとしても引き出しになるので。今後、違う形でそれを使うときがくるかもしれないですしね。