デビュー月・人気・着順とGI制覇の関連性 ビッグレースを勝つ新馬の共通項とは?

JRA-VANデータラボ

6〜7月デビューのG1馬(2歳〜3歳春)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 では、それぞれをもう少し細かく見てみよう。表2は6〜7月デビューのG1馬の新馬戦成績で、先にも触れたように13頭中12頭が1着で、例外はクラリティスカイの4着1頭。また、新馬戦で3番人気以下だったのは、同馬のほか、マイネルホウオウとレッドリヴェールの計3頭のみ。単にデビュー戦で勝利を飾るだけでなく、1〜2番人気で勝利を挙げていることが理想だ。また、このうち2400mのオークス・ダービーを制したのはソウルスターリングとワグネリアンの2頭。皐月賞を制したのもほかに2頭で、この時期のデビュー馬にはマイルG1を制する馬が多いのが特徴だ。

8〜10月デビューのG1馬(2歳〜3歳春)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて8〜10月デビュー馬の20頭。新馬勝ちを果たせなくてもチャンスが十分にあるグループだ。ただ、それでも連対を外していたのは20頭中3頭だけ。そして4番人気以下だったのも3頭しかいない。「3番人気以内での連対」が、多くの馬に共通する条件だ。なお、この条件を満たさなかった4頭に共通するのは、後にマイル以外のG1を制していること。阪神JFや朝日杯FSなどマイルG1を予想する際に、8〜10月デビュー馬ならこの条件を満たしているか、12月になったら思い出してチェックしたいものだ。

11〜12月デビューのG1馬(2歳〜3歳春)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 そして最後に表4は、11〜12月デビュー馬5頭である。こちらは5頭中4頭が新馬1着、そして同じく4頭が1番人気。残る各1頭も、2番人気と2着だった。この時期の新馬戦で、3番人気以下や3着以下だった馬では、少なくとも3歳春までのG1は勝てない、ということになる。

 以上、新馬デビュー月を大きく3つに分けて、それぞれの特徴を見てみた。どの月にデビューしていても、基本的には「上位人気で好走」が多くの後のG1馬に共通する条件になるが、その「上位人気」や「好走」の中でも、それぞれ微妙に違いがあることがわかった。既にデビューを果たした馬が表2の条件を満たしていれば、まずは大きな期待を持ってこれからのレースを楽しみたい。もっとも、どんなデータでもなかなか「100%」にはならないもの。表2の条件をクリアできていなかったとしても、クラリティスカイのような例外もいるだけに、あまり落胆せずに今後の活躍を期待して応援していきたいものだ。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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