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前代未聞の混乱状態が続くアルゼンチン
メッシはサポートを得られず落ち込む

サンパオリ監督に22年まで指揮を託したが……

グループリーグ敗退の危機にあるチームは、ここから巻き返せるのか?
グループリーグ敗退の危機にあるチームは、ここから巻き返せるのか?【写真:Shutterstock/アフロ】

 ワールドカップ(W杯)が始まるずっと前から、アルゼンチン代表はネガティブな話題ばかりでメディアを賑わせてきた。それは過去にW杯を2度、コパ・アメリカ(南米選手権)を14度、五輪の金メダルを2度獲得してきたフットボール大国において、あるまじき状況である。


 W杯南米予選は6位で最終節を迎え、国内組のみで構成されたエクアドルを下すことで辛うじて本大会出場を決めた。それから本大会までの数カ月間も混乱と無秩序に満ちていた。


 2014年のW杯以降、アルゼンチンフットボール協会(AFA)は4年間で3度も代表監督を入れ替える迷走を繰り返してきた。昨夏に招へいしたホルヘ・サンパオリには22年のW杯カタール大会までの指揮を託し、19年のコパ・アメリカ ブラジル大会前に解任した場合は、2000万ドル(約21億9000万円)の違約金を払わなければならない契約を交わしている。


 AFAとしてはこの契約によってサンパオリへの信頼を示すとともに、1998年から04年まで続いたマルセロ・ビエルサ時代以来となる長期プロジェクトに着手したはずだった。だがA代表への人材の供給源であるはずのユース世代については具体的な強化計画が皆無のままで、07年のU−20W杯優勝を最後に、かれこれ10年以上も低迷期が続いている。

GKセルヒオ・ロメロは直前に負傷離脱

ナイジェリア戦の前日会見に出席したGKのアルマーニ(右)。カバジェロに代わり、出場が予想される
ナイジェリア戦の前日会見に出席したGKのアルマーニ(右)。カバジェロに代わり、出場が予想される【写真:ロイター/アフロ】

 それだけではない。AFAのずさんな運営により、アルゼンチン代表は貴重なテストマッチの機会を何度も逃してきた。W杯直前に用意された2つの国際Aマッチデーも生かすことができず、バルセロナで合宿していたアルゼンチンの選手たちは門限すらないオフを享受していた。


 ロシア入りする直前には、6月9日にエルサレムで予定されていたイスラエルとの親善試合、そしてそれに伴うローマ法王への訪問もキャンセルした。5月にイスラエルの米国大使館がテルアビブからエルサレムへ移転した直後のことで、パレスチナ側から中止を要求されたからだ。


 イスラエル戦では当初、第3GKとして招集したフランコ・アルマーニをテストするはずだった。だがその機会を失ったことで、結局、サンパオリはチェルシーで控えGKを務めるウィリー・カバジェロを本大会の正GKに選んでいる。


 今大会の正GKは10年、14年大会でもプレーしたセルヒオ・ロメロが務めるはずだったが、彼は開幕直前のけがにより、チームを離れることになった。サンパオリはW杯本大会初戦のアイスランド戦の前日会見で「3人のGKはみな実力が拮抗しており、1人を選ばなければならない」と語っており、カバジェロに全幅の信頼を置いていたわけではなかった。

セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky
セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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