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日本勢5人出場も1勝4敗で白星伸びず
スライド出場の憂流迦が唯一の勝利
シンガポール大会にスライド出場となった佐々木憂流迦はUFC4勝目を挙げた
シンガポール大会にスライド出場となった佐々木憂流迦はUFC4勝目を挙げた【Getty Images】

 米国の総合格闘技イベント「UFC FIGHT NIGHT:Singapore」が日本時間22日、シンガポール・インドア・スタジアムで行われた。今大会には日本人選手が3階級(フライ・バンタム・ウェルター)で5名出場。昨年のさいたまスーパーアリーナ大会の8名に次ぐ大挙出場で日本勢のアピールと勝利を目指した。

憂流迦は得意のチョークスリーパーで勝利

 先陣を切って登場したのはフライ級の佐々木憂流迦。4月22日、米国・ニュージャージー州アトランティックシティでの大会に出場が決まっていた憂流迦だが、対戦相手のドクターストップにより試合が直前で消滅。今大会にスライドする形で出場が決まり、昨年9月の日本大会以来の試合となった。


 ランカーとの対戦も経験しており、ここは手堅く勝利したい憂流迦は1ラウンド、開始早々にテイクダウンを奪うとそのまま得意の寝技でコントロールし、最後はマウントポジションから鉄槌(てっつい)を落とし、腕十字を取り掛けて終了。“デモリッションマン”の異名を持つジェネル・ラウザ(フィリピン)にその強打を振るわせない。


 2ラウンドこそタックルを切られやや手こずる場面もあった憂流迦だが、再びグラウンドへ持ち込むと独壇場で再びのマウントポジションからバックへ回ると得意のチョークスリーパーでフィニッシュ。バックへ回る流麗な動きと極めの速さと強さを見せ、UFC4つ目の白星をゲットした(UFC通算成績は4勝4敗)。

井上直樹はプロは黒星

12戦目にしてプロ初黒星を喫した井上(左)
12戦目にしてプロ初黒星を喫した井上(左)【Getty Images】

 続いて登場は同じくフライ級の井上直樹。井上はちょうど1年前のシンガポール大会で日本人最年少となる19歳でUFCデビューを果たしており、ここまでの戦績は11勝無敗。幼い頃から空手や柔術など様々な大会に出場して優勝を遂げてきた日本MMAのホープであり、デビュー戦に続く連勝、UFC2勝目が期待された。


 昨年のデビュー戦では巧みな柔術テクニックで相手を圧倒して勝利した井上だが、今回は一転、打撃に終始する一戦に。相手はアメリカン・トップ・チームで練習を積み、“デンジャー”の異名を取るマット・シュネルであったが、シュネルは井上のジャブに右クロスをかぶせたり、小さくダッキングでかわしてローキック、左ショートフックと攻めのバリエーションが多彩で、攻撃も上下に散らして井上に攻め入らせない。


 ジャブを中心に組み立てた井上だが山場を作れず、逆に被弾で鼻血も見られ、結果は判定1−2(28−29、29−28、28−29)でシュネル。井上は12戦目にしてプロ初黒星を喫し、憂流迦に続くことはできなかった。

安西は3連勝ならず

 3番手、現在UFC2連勝中の安西信昌(ウェルター級)はオーストラリアのジェイク・マシューズと対戦。父親のコーチを受け、豪州の新星と期待を受けUFCデビューしたマシューズは一時連敗を喫したがライト級からウェルター級に上げると調子を取り戻し、安西と同じく2連勝。ステップアップを懸ける安西の前に立ちはだかった。


 マシューズが振るう速くて強い右を警戒しながら組みついた安西だが、逆にそこをヒザ蹴りにさらされる。さらなるヒザ&クリンチアッパーで安西を崩したマシューズは、そこから逆に押し倒してテイクダウンを奪い、パウンドからバックへ回ってスリーパー。逃れんとした安西だが、そのまま失神して一本負け。マシューズが強さを見せる3連勝となった。

石原“夜叉坊”もレフェリーストップで敗戦

 日本勢に掛かり始めた暗雲を払拭(ふっしょく)すべく、4番手の石原“夜叉坊”暉仁はこれがUFCデビュー戦となるロシアのピョートル・ヤンと対戦。バンタム級に戻して2戦目、現在UFC戦績3勝3敗の五分である夜叉坊は勝ち越しとUFC4勝目を目指した。


 サウスポーの夜叉坊はバックステップと蹴りで距離を作り、目のよさとキレを活かしたカウンターを打ち込まんとするが、頑丈さを感じさせるピョートルは恐れを見せずどんどん距離を詰めてくる。タックルに出てテイクダウンを奪った夜叉坊だが、ピョートルはすぐに立ち、右ショートストレート、左フックととらえて夜叉坊に尻もちをつかせる。さらにバックエルボーも夜叉坊に当て、最後は右ショートストレートで再び倒したところでレフェリーが試合をストップ。ピョートルにデビューインパクトを与える敗戦となってしまった。

唯一のメインカードの阿部は中国選手に完敗

 大会メインカードには阿部大治(ウェルター級)が日本勢で唯一となる出場。負の連鎖が止まらない中、中国のリー・ジンリャンと対戦した。


 柔道でインターハイ優勝、キックボクシングとパンクラスで王座を獲得とオールラウンダーの阿部だが、試合は打撃戦で進み、ジンリャンが巧みな打ち分けとローを効かせて圧倒。左右に構えをスイッチし、どこから攻撃が来るか予測しづらいジンリャンに対応ができず、前回2月大会に続く判定負けとなってしまった。


 シンガポール大会、日本勢の通算成績は5戦1勝4敗。トップバッターの佐々木憂流迦こそ勝利したが、その後は新星の井上直樹、3連勝を懸けた安西信昌、人気選手の夜叉坊、実力者の阿部大治といずれも勝利を上げることはかなわず。今年は日本大会開催の声も聞かれず、UFCにおける日本の情勢を感じさせる結果となってしまった。

■「UFC FIGHT NIGHT:Singapore」

6月22日(土)シンガポール・インドア・スタジアム


<ウェルター級マッチ 5分3R>

〇リー・ジンリャン(中国)

(判定3−0)

●阿部大治(HMC)

※30−26、30−27、30−27


<バンタム級マッチ 5分3R>

〇ピョートル・ヤン(ロシア)

(1R3分28秒 TKO)

●石原“夜叉坊”暉仁(Team Alphamale Japan)

※レフェリーストップ


<ウェルター級マッチ 5分3R>

〇ジェイク・マシューズ(オーストラリア)

(1R2分44秒 チョークスリーパー)

●安西信昌(TEAM CLIMB)


<フライ級マッチ 5分3R>

〇マット・シュネル(アメリカ)

(判定2−1)

●井上直樹(空手道白心会)

※29−28(シュネル)、29−28(井上)、29−28(シュネル)


<フライ級マッチ 5分3R>

〇佐々木憂流迦(フリー)

(2R4分04秒 リアネイキッドチョーク)

●ジェネル・ラウザ(フィリピン)

長谷川亮

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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