前走圧勝馬と辛勝馬の次走を考察 続けて馬券になるのはどのような条件下?

JRA-VANデータラボ

データ集計期間は2015年1月4日〜2018年6月17日

 先週の重賞2レースは、着差という点では対照的な結果となった。先に行なわれた函館スプリントSは、セイウンコウセイが2着に0秒0差のハナ差勝ち。一方のユニコーンSは、ルヴァンスレーヴが2着に0秒6差で3馬身半をつける圧勝だった。そこで今回は「2着と0秒0差の辛勝だった馬の次走」および「2着に0秒5差以上をつけて圧勝した馬の次走」について調べてみたい。集計対象は平地戦のみで、集計期間は2015年1月4日〜2018年6月17日。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

「0秒0差1着馬」の次走クラス別成績

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表1は「0秒0差で1着だった馬」について、次走が「昇級戦」「同クラス」「降級戦」となる場合の成績をそれぞれ調べたものである。現行の規定では、条件戦1着の次走は必ず昇級戦となるが、ちょうど今の時期のように夏の降級をまたぐ場合は次走も同クラスとなることがある。また、最上位クラスであるオープンを勝った場合も、次走は同じオープンとなる。なお、勝って降級戦となることは滅多にないが、2、3歳限定のオープンを勝った馬が次走で古馬混合戦に出走する場合で稀に起こりうる。

 表1を見ると、昇級戦の場合で単勝回収率67%、同クラスの場合で単勝回収率66%となっており、「0秒0差で1着だった馬」の次走は全体に苦戦の傾向が見受けられる。タイム差なしの1着となると展開の助けがあったことも十分に考えられ、その次走で苦戦に陥るケースが多いのも仕方がないかもしれない。

「0秒0差1着馬」「昇級戦」の次走人気別成績

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2は「0秒0差1着馬」かつ「昇級戦」となる馬の次走人気別成績。全体的に物足りない数字にとどまっているが、そのなかで数字が比較的いいのは、単勝回収率92%の1番人気。前走が辛勝だったのに1番人気となると手を出しづらいシチュエーションかもしれないが、思った以上にやれているようだ。

「0秒0差1着馬」「昇級戦」の次走クラス別成績

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は、「0秒0差1着馬」かつ「昇級戦」となる馬の次走クラス別成績。全クラスにわたって苦戦の傾向が見られ、なかでも苦しいのがG1やG2。特にG1は26走で3着が1回のみとなっている。重賞でもG3までならまだしも、タイム差なしの1着だった馬が昇級戦でG1やG2に出走するというのは、かなり厳しいシチュエーションといえそうだ。

「0秒0差1着馬」「同クラス」の次走人気別成績

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は「0秒0差1着馬」かつ「同クラス」となる馬の次走人気別成績。上位人気の成績に特徴があり、2番人気や3番人気の単勝回収率が高い点に注目したい。前走がタイム差なしの辛勝だったために、本来はもうすこし人気に推されるべき馬でも若干人気を落とすのかもしれない。また、5番人気も優秀だ。なお、1番人気の成績は若干勝率が低いものの、ほぼ標準レベルといえる。

「0秒0差1着馬」「同クラス」の次走クラス別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は「0秒0差1着馬」かつ「同クラス」となる馬の次走クラス別成績。目につくのはオープン特別で、これは絶好の狙い目となりそうだ。また、G1やG2の好走例も少なからずあり、特にG1では複勝回収率118%と2、3着に穴馬が突っ込んでくるケースに注意したい。なお、500万下や1000万下は数字が振るわないように見えるが、1〜3番人気に限れば合わせて【21.8.7.37】、勝率28.8%、単勝回収率113%と、上位人気に限れば狙っていくことができる。

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