コロンビア戦で鍵を握る「セットプレー」 初戦に向け、チーム作りは最終局面へ

飯尾篤史

「4年前」を経験した川島が語る、初戦への思い

ブラジル大会でコロンビアに4ゴールを奪われた川島(中央)は、今大会に懸ける思いを語る 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 これまでは、「自分たちが試合をどう進めるか」に焦点を当ててきたが、ここからはいよいよ相手にフォーカスしたトレーニングを積んでいく。選手たちの頭の中にもコロンビアの存在が膨らんでいるようだ。

 普段、言葉数が決して多くない山口は「死に物狂いでやるしかない」と語り、ハメス・ロドリゲス対策について「ある程度、イメージはある」ときっぱりと言った。

 フランスのリーグ・アンでラダメル・ファルカオと対戦経験のある酒井宏樹はチームメートにアドバイスを送っているという。

「かなりサボッているように見えて、一番大事なところには絶対にいる。クロスへの入り方も、DFの視野から消えることを常に狙っているので、ディフェンスラインの選手たちには集中しないといけないと伝えています」

 4年前のブラジル大会でコロンビアに4ゴールをたたき込まれた川島永嗣は、同じく4年前を経験した選手たちの思いを代弁するように、語った。

「4年間、自分だけじゃなく、多くの選手がいろいろな思いを持って過ごしてきたと思います。やはりこれまでとは違う自分たちを見せたいと思いますし、結果も含めて、4年間やってきたものがあるんだ、ということを示したいと思います」

 さらに、その後に語った「いろいろなものを犠牲にしてやってきた」という言葉に、今大会に懸ける思いが伝わってきた。

 因縁の相手であるコロンビア戦まであと4日――。西野監督と選手たちは極めて冷静に、しかし、熱い闘志を燃やしている。

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著者プロフィール

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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