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コロンビア戦で鍵を握る「セットプレー」
初戦に向け、チーム作りは最終局面へ
一発のセットプレーに泣いたエジプト。初戦のコロンビア戦を思い浮かべずにはいられない
一発のセットプレーに泣いたエジプト。初戦のコロンビア戦を思い浮かべずにはいられない【Getty Images】

 日本代表がキャンプを張るFCルビン・カザンの練習場。会見ルームのテレビには、エカテリンブルクで行われているウルグアイ対エジプトが映し出されていた。


 両チームは一進一退の攻防を続け、スコアは0−0のまま推移していく。テレビの前に集まった日本の取材陣はいつしか、格上の南米チームに食らいつくエジプトにわれらが代表チームの姿を重ね、ついついエジプトの応援に力を込めていた。


 しかし後半44分、ついに均衡が崩れた。FKからウルグアイがエジプトゴールをこじ開けたのだ。善戦していた格下のチームがセットプレー一発に泣くという結末に、4日後のコロンビア戦を思い浮かべずにはいられなかった。


 くしくもちょうどその頃、会見ルームから最も離れたピッチでは、日本代表がコロンビア戦に向けてセットプレーの練習を入念に行っていた――。

不安視される岡崎の状態、浅野との入れ替えも?

「オカが一番気になる」と、西野監督も岡崎の状態を不安視している様子
「オカが一番気になる」と、西野監督も岡崎の状態を不安視している様子【写真は共同】

 ロシア・カザンでの合宿がスタートして2日目の6月15日(以下、現地時間)。日本代表は当初の予定を変更し、非公開練習を行った。


 もっとも、西野朗監督によると、予定通りだったようだ。


「カザンに入ってからクローズにしたいと思っていました」


 この日の午前中にはミーティングを行い、コロンビアのセットプレーの映像を中心に確認し、午後はセットプレーの守備練習と戦術トレーニングに取り組んだという。


 8日のスイス戦と12日のパラグアイ戦でメンバーを総入れ替えしたように、ここまでレギュラーとサブを明確に区別してこなかったが、「ここに来て、ある程度固定でやりたいと思っていた。今日はそのスタート」と指揮官は言う。非公開のため、誰が主力組に入ったのかは定かではないが、コロンビア戦に向けてチーム作りはいよいよ最終局面へと向かうわけだ。


 一方、心配な事柄もある。負傷を抱える岡崎慎司の状態が、どうやら芳しくないようなのだ。


 4月に左足首を痛め、レスターでの最後5試合を欠場した岡崎は、5月30日のガーナ戦で途中出場して実戦復帰し、12日のパラグアイ戦では先発出場を果たした。しかし、左足首をかばってプレーしていたせいか、オーストリア・ゼーフェルト合宿から右太ももにはテーピングが巻かれ、さらに前日14日からは両ふくらはぎの張りのため、別メニュー調整が続いていた。


「非常に厳しい選手もいる。やはりオカが一番気になるところではある」という指揮官の言葉を聞くと、もしかしたらコロンビア戦に間に合わないかもしれず、サポートメンバーの浅野拓磨と入れ替わる可能性もゼロではない。むろん、それはあくまでも最悪のケースだが。

勝負を分けるセットプレーが重要なポイントに

南米予選ではセットプレーのキッカーを務めていたハメス(右)。精度の高いキックが持ち味だ
南米予選ではセットプレーのキッカーを務めていたハメス(右)。精度の高いキックが持ち味だ【Getty Images】

 話をセットプレーに戻せば、コロンビアの印象について、山口蛍はこう語る。


「コロンビアにはうまいキッカーがいるし、中に入る選手もでかい選手がそろっているし、低くても入り方が上手な選手がたくさんいるので、一番大事かなと。コロンビアの得点を見てもサイドからのクロスやセットプレーが大半を占めていたので、一番ポイントになるんじゃないかと思います」


 W杯南米予選でキッカーを務めていたのは、4年前のブラジル大会で日本代表の守備網を切り裂いたハメス・ロドリゲスと右サイドハーフのエドウィン・カルドナである。彼らの高い精度のキックに、エースストライカーのラダメル・ファルカオ、身長187センチのDFダビンソン・サンチェス、同じく身長187センチのDFクリスティアン・サパタ、身長182センチのMFカルロス・サンチェスらが飛び込んでくるセットプレーは迫力満点だ。


 ただし、貴重な右足のキッカーだったカルドナが人種差別行為やスキャンダルを理由に最終メンバーから落選。セットプレーのバリエーションがひとつ減ったのは、日本にとって朗報だと言える。


 日本としては粘り強く守り、0−0のままゲームが進む展開が理想だろう。グループリーグの草刈場として見られている日本を攻めあぐねれば、コロンビアは次第に焦りをにじませるに違いない。まさにエジプトに対するウルグアイがそうだった。ルイス・スアレスが頭を抱えるシーンが、いったい何度画面に映し出されたことか。


 こうした展開で勝負を分けるのがセットプレーであることも、ウルグアイ対エジプトが示すとおり。とりわけ日本は、直近のテストマッチ3試合で6失点中5失点がセットプレーから喫したものだ。その重要性について、昌子源がウルグアイ対エジプトに自身を重ね合わせ、あらためて語る。


「格上との対戦は0−0でオーケーというのは、本当にそうだと思う。ウルグアイはセンターバックが(点を)決めたんですよね。そういうのもサッカーの面白さじゃないけど、言うならば俺が決めたようなもの。守って、守って、セットプレー。サッカーって本当に何が起きるか分からない。セットプレーはサッカーの勝敗を分ける一番のポイントかもしれない」


 翌16日にはセットプレーの攻撃の練習に取り組む、と指揮官は明かした。

「トリックというか、まともにセットした中では対抗できない部分も考えられるので、変化させたいと思います。思い切った対応を考えています」

飯尾篤史
飯尾篤史

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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