[連載小説]アイム・ブルー(I’m BLUE) 第28話 ラストピース

木崎f伸也
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木崎f伸也、初のフィクション小説。
イラストは人気サッカー漫画『GIANT KILLING』のツジトモが描き下ろし。

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 日本代表の前監督、メーメット・オラルがスクリーンの中に現れると、ドイツ生まれのクルーガー龍が「Echt?」(マジ?)と声をあげ、真っ先に画面に駆け寄った。水島海と小高有芯が追いかけ、他の選手も続き、あっという間に画面前に人垣ができる。

 オラルがフランクフルトで事故に遭ってから約2カ月――。当初の診断結果によれば肩、背骨、骨盤、大腿骨を骨折し、まだベッドから動けない状態のはずだった。だが、オラルは長い黒髪を後ろでまとめ、シャツにジャケットを羽織って車椅子に座っている。奇跡の回復力と言っていい。
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著者プロフィール

1975年、東京都生まれ。金子達仁のスポーツライター塾を経て、2002年夏にオランダへ移住。03年から6年間、ドイツを拠点に欧州サッカーを取材した。現在は東京都在住。著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『革命前夜』(風間八宏監督との共著、カンゼン)、『直撃 本田圭佑』(文藝春秋)など。17年4月に日本と海外をつなぐ新メディア「REALQ」(www.real-q.net)をスタートさせた。18年5月、「木崎f伸也」名義でサッカーW杯小説『アイム・ブルー』を連載開始

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