W杯期間中は「無風」と思いきや……  オフ中も気が休まらないラ・リーガ勢

レアルはC・ロナウドの退団騒動、ジダンの後任探しで混乱

CL3連覇を成し遂げたレアルだが、C・ロナウドの退団騒動やジダンの突然の辞任など、混乱が続いている 【Getty Images】

 数日前、カタルーニャの人々がバルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ会長に対して不快感を抱く出来事があった。スペイン代表の中核を担う所属選手が何人もいるにもかかわらず、ワールドカップ(W杯)ロシア大会では、リオネル・メッシとアルゼンチンの優勝を望むと発言したからだ。

 一方、首都マドリーではレアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長がクリスティアーノ・ロナウドに腹を立てている。脱税問題の渦中にあるC・ロナウドに、税務署から請求されている2億8000万ユーロ(約360億円)もの追加徴税の肩代わりを求められたからだ。それはあくまでも選手個人の問題だからとペレスが断ると、C・ロナウドの代理人は「もう合意はありえない」と言い捨てて、話し合いを切り上げてしまったという。

 チャンピオンズリーグ(CL)決勝でリバプールと対戦したキエフでの夜、C・ロナウドはチームメートに別れを告げ、試合後のフラッシュインタビューでは退団をほのめかせるコメントを発した。彼の母親は複数のメディアに対し、自分たちが望むのはマンチェスター・ユナイテッドへの復帰であり、近いうちに本人が口を開くと予告している。

補強の第一候補として名前が挙がるネイマール。クラブは代理人と話を続けているという 【写真:ロイター/アフロ】

 今夏にC・ロナウドが退団した場合、レアル・マドリーは早急にインパクトのある大型補強を実現する必要がある。その第一候補はW杯に向けて完全復活を果たしたネイマールであり、クラブは彼の代理人と話し合いを続けている。

 レアル・マドリーはジネディーヌ・ジダンの後任探しにも苦労した。ドイツ代表のヨアヒム・レーヴ監督、トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ監督、ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督らの返答は「ノー」。最終的にスペイン代表を率いるジュレン・ロペテギ監督と3年契約を結んだが、そのせいでロペテギはW杯の開幕前日に代表監督の任を解かれることになった。

 アトレティコ・マドリーはアントワーヌ・グリーズマンの去就に振り回された。来季もアトレティコに残るのか、それともメッシやルイス・スアレスとともに毎シーズンあらゆるタイトルを狙える環境に身を移すのか。自身の動向が話題に挙がるたびに「まだ決めていない」と繰り返してきた彼は、フランス代表のW杯初戦を2日後に控えた6月14日の夜、ようやく残留の意思を口にしている。

1/2ページ

著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

新着記事

編集部ピックアップ

【速報】サッカーU-23日本代表、U-2…

フットボールチャンネル

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント