西野監督「起用の少なかった選手を使いたい」 国際親善試合 パラグアイ戦前日会見
どんなゲームでも勝利が大前提
西野監督は「勝利することが大前提の上でトライしていく」と語る 【Getty Images】
代表チームはどんなゲームでも、勝利することが大前提の上でトライしていくことは当然のことなので、そこは毎試合求めています。本大会前の3試合で、選手もできるだけトライして、テストしたいという中で6人交代を考えたり、そういうプランを立てていますけれど、われわれがリードしている前提で選手をスイッチしていきたいのが前提としてあります。
残念ながらビハインドになって(選手を)投入していくと、プレスは前から継続してかけていくけれど、「0−1でもOK」というゲームでも、フレッシュな中で(交代選手が)オフェンスもディフェンスも入ってくる。ディフェンス陣は「今はまだ」という中でも、チームとしてそういう状況の中で、いい形でディフェンスができているけれど(ボールが)取り切れないところがある。本来ならば、ゲームのコントロールをしながら勝負に入っていくところだと思うんですけれど。
ただ前提は、得点を取る。じゃあ、得点を取ったあとにどう展開するか。選手を投入すれば、間違いなく「追加点を」ということになるし、そういう中でまた違う状況になることもある。勝負とテストと選手とシステムのなかでも、バランスは非常に難しい中で試合に入っています。勝つことによってチームへの活性化は違うと思います。明日も強く、そこは追求して勝負にこだわりたいなと思っています。
──国内の盛り上がりが過去5大会と比べて低い中、代表監督としてどう考えているのか。むしろプレッシャーがないと感じているのか?(原田公樹/フリーランス)
そうなんですか? 今、初めて残念な報告を聞かされました。盛り上がっていないんですか? 私自身、プレッシャーがないのは間違いです。プレッシャーはあります。
コンビネーションやグループの意識はまだ足りない
(W杯の)迎え方へのアプローチの問題だと思っています。5月21日(の合宿初日)に全員が集まったわけではなく、代表活動がそこからスタートして、全体(練習ができるようになったの)が25日。テストマッチは3試合。できれば当初から23人を固定しながら、常に組むべき時間だったと思います。テストマッチの3試合も、固定したレギュラーで3試合を戦って、システムもメンバーもある程度固定しながら修正をかけていくやり方もひとつあると思います。
私が選んだのは、3試合の中でシステムも今大会で必要であろう、今までやっていないと思われるものにもトライし、選手も固定せずマックスでゲームに対してトライしていく、テストしていく。明日もそうです。アプローチの中で、可能性を毎試合考えながら、チームを作って最終的にコロンビアに当てたいというのが、自分の中でのアプローチです。選手にもそう伝えています。明日をもって、時間の問題でもありますが、その中でロシアに入って、最終の準備をしたいと思います。
──ゲームコントロールというところで、選手の中でかみ合っていない部分もあるようだが、監督自身がベンチワークや指示というところでのコントロールについて、どう考えているか?
ゲーム自体は、ガーナ戦もスイス戦も相手に(主導権を)取られているとは思わないです。投入する選手に関しても、状況がビハインドという中で、オフェンシブなポジションであるとか、プレーを要求して投入しています。そういう中で、いい形の時間帯もある。決してゲームをコントロールされているとは思っていません。
コントロールの仕方は選手によって、キャスティングによって、グループでのパフォーマンスにはズレはあります。コンビネーションやグループの意識は、まだ足りないなと思っています。全体的に支配されたゲームだとは、2試合とも感じてはいないですが、ディフェンスの入りや奪ったあとのポジショニングというところでは、まだまだ詰めないといけないところはある。その回数は、おそらくこれから少なくなっていく。その中の鋭さというものは、求めていかないといけないなと思います。
──今大会はルールにいくつか変更があって、戦術的な目的で電子デバイスをスタッフが使えるというものがある。各国は親善試合でそれを使っているようだが、日本としてはそれをどう使っているのか?(清水英斗/フリーランス)
スイス戦ではテクニカルとコーチの間でそういう伝達情報も入っているので、十分に生かしているところではあります。
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