NBAに「王朝」を築いたウォリアーズ 4年連続の同一カードは予想通りの結末に
最強ウォリアーズ、キャブズをスイープで一蹴
ウォリアーズはここ4年で3度目となるNBAファイナル制覇を成し遂げた 【Getty Images】
現地時間6月8日に行われたNBAファイナル第4戦で、ウォリアーズはクリーブランド・キャバリアーズ(以下、キャブズ)に108−85で圧勝。中盤以降は敵地のファンを沈黙させ、キャブズの怪物レブロン・ジェームズも残り約4分の時点で交代してしまうほどの圧倒的な勝ちっぷりだった。米4大スポーツ史上初の4年連続同一カードとなったファイナルで、東西の雄の力量差は、もう番狂わせの可能性も感じさせないほどに歴然としていた。
「とても良い気分だ。チームのみんなと一緒に優勝できたし、ここまで勝ち抜く形も良かった。スイープで勝てたのだからうれしいよ」
シリーズ平均28.8得点、10.8リバウンド、7.5アシストをマークし、史上6人目となる2年連続ファイナルMVPを受賞したケビン・デュラントは勝ち誇った。6日の第3戦では43得点を挙げ、今季最後のゲームとなった第4戦でも20得点、12リバウンド、10アシストのトリプルダブルをマーク。きら星のごとくスターがそろったファイナルの中でも、通称“KD”の個人技は際立っていた。ただ、キャブズがレブロンのほぼ独力でここまでたどり着いたのに対し、ウォリアーズはデュラントに頼りきりだったわけではない。
「誰がMVPかとか、そんなことは誰も気にしていない。チームみんなで素晴らしいプレーができたことが、ただうれしい」
多くの役者が躍動したシリーズを終えて、デュラントのそんな言葉が単なる謙遜には思えなかったのも事実である。ステフィン・カリーは合計22本の3ポイントシュートを決め、そのカリーと“スプラッシュ・ブラザーズ”を形成するクレイ・トンプソンも全4戦で2桁得点。ドレイモンド・グリーンは守備の要としてゴール周辺に君臨し、アンドレ・イグダーラ、ジャベール・マギーといったベンチスタートの仕事人たちも、随所でチームに貢献した。
超スーパースター軍団にレブロンも脱帽
レブロンは、昨年に続いてキャブズを頂点に導くことができなかった 【写真は共同】
「ウォリアーズにはすごいプレーヤーというだけでなく、頭脳的な選手たちがそろっている。彼らを相手にしたら絶対にミスは犯せない。得点は誰でもできるが、ゲームを通じて考えることができる選手がどれだけいるだろう?」
心技体をすべて備えた層の厚いチームに対し、レブロンも脱帽せざるを得なかった。このレブロン率いるキャブズを3勝1敗と追い込みながら、まさかの3連敗を喫し、この4年間で唯一、優勝を逃したのが2016年のこと。その後のオフに入団したデュラントが、原型のウォリアーズにとって“最後のピース”になった。
元MVP(デュラント、カリー)、オールスター(トンプソン、グリーン)、15年のファイナルMVP(イグダーラ)が名を連ねる超スーパースター軍団。特にスタメンの能力は史上最高級という声もあり、だとすれば今回のファイナルの圧勝も当然の結果だった。