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黄金世代擁するベルギーは早くも臨戦態勢
W杯に向けエースは絶好調、不安は守備か

圧巻だったE・アザールのパフォーマンス

親善試合のエジプト戦に3対0で勝利したベルギー。E・アザールのパフォーマンスは圧巻だった
親善試合のエジプト戦に3対0で勝利したベルギー。E・アザールのパフォーマンスは圧巻だった【写真:ロイター/アフロ】

 ベルギー代表は現地時間6月6日、首都ブリュッセルにエジプトを迎えて親善試合を行い3−0で快勝した。「黄金世代」と呼ばれるスター軍団のベルギーにおいて、とりわけ調子のよかったのがエデン・アザールだった。


 エジプトのキックオフで始まったこの試合、自陣でボールを奪ったベルギーがE・アザールにボールを預けると、独特の猫背気味のドリブルがエジプトの中盤を切り裂き、MFタレク・ハメドはファウルで止めるしかなかった。10分頃には、エジプトがベルギーを押し込む時間帯を作ったが、劣勢を打開したのはやはりE・アザールのドリブルだった。


 前半、ベルギーが挙げた2ゴールは共にE・アザールが絡んだもの。前半27分、センターバック(CB)のトビー・アルデルワイレルトからのパスを巧みにトラップしたE・アザールは、アハメド・ヘガジーのマークを難なくかわして左足で強烈なシュートを放つ。GKエサム・エルハダリが辛うじて止めたものの、このこぼれ球をセンターFWロメル・ルカクが押し込み、ベルギーが先制した。前半38分にはヤニク・カラスコがペナルティーエリア左奥から折り返し、中央で構えていたE・アザールが左足で鋭くシュートを蹴り込んだ。


 立ち上がりのファウル以外にも、エジプトから厳しい当たりを受けていたE・アザールは大事を取って前半いっぱいでベンチに退いたが、この45分間のパフォーマンスは圧巻で「デビル・オブ・ザ・マッチ(ベルギーサポーターが選ぶマン・オブ・ザ・マッチ)」に選ばれた。


「僕がプレーする試合では、ほとんどいつも選ばれるね」と笑うベルギーのエースは、すでにワールドカップ(W杯)に向けて臨戦態勢だ。

4試合連続クリーンシートも不安あり

代表チームにとって、代えの効かない選手であるコンパニ。守備のアキレス腱とも言える存在
代表チームにとって、代えの効かない選手であるコンパニ。守備のアキレス腱とも言える存在【写真:ロイター/アフロ】

 ベルギー代表は、守備では昨年11月の日本戦(1−0)から、対サウジアラビア(4−0)、対ポルトガル(0−0)、そして今回のエジプト戦と4戦続けてクリーンシートを記録している。一見、攻守のバランスが良さそうなベルギーだが、守備にはアキレス腱がある。


 6月2日のポルトガル戦では、MFのムサ・デンベレとケビン・デ・ブライネが中盤で緩衝地帯を作れず、アルデルワイレルト、バンサン・コンパニ、ヤン・フェルトンゲンの3バックが後手に回り、ポルトガルに押し込まれてからフリーでミドルシュートを打たれる場面が目立った。エジプト戦でも、サイドからのクロスで簡単に崩されたり、途中出場のトレゼゲにたやすく裏を取られた場面もあった。


 ポルトガル戦では後半10分にコンパニがそけい部を痛めて退場し、スタジアムが凍りついた。ピッチの内外で抜群のリーダーシップを発揮するコンパニは、ベルギー代表にとって代えの効かない存在である。フェルトンゲンもハムストリングを痛めており、W杯はぶっつけ本番という状況だ。


「24番目の選手」としてロシアへ帯同することが決まっているローラン・シマンがエジプト戦では3バックの中央を務めたが、ラインコントロールを失敗したり、ハイボールに被ってしまったりと不安定だった。


「W杯のレギュレーションでは初戦前日まで選手を入れ替えることができる。コンパニをどうするか(パナマ戦の前日である)6月17日まで待ちたい」と、ロベルト・マルティネス監督は最後の最後までコンパニのコンディションを粘って待つ覚悟だ。

中田徹
中田徹
1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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